2023 Fiscal Year Research-status Report
A multi-omics investigation of novel therapeutic strategies for clear cell carcinoma of the ovary focusing on cancer metabolism
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23K06688
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
重田 昌吾 東北大学, 大学病院, 講師 (90842633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 英史 東北大学, 未来型医療創成センター, 助教 (10824609)
徳永 英樹 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30595559)
島田 宗昭 東北大学, 未来型医療創成センター, 教授 (40362892)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 卵巣明細胞癌 / 全エクソーム解析 / 全ゲノム解析 / メタボローム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北大学のクリニカルバイオバンクに保存された手術検体を用い、本年度は卵巣明細胞癌21症例について全エクソームもしくは全ゲノム解析を行い各症例の遺伝子変異を同定同定した。ARID1A変異やPIK3CA変異といった卵巣明細胞癌固有の遺伝子変異は、既報と同程度の割合で再現性をもって検出された。また、同じ21症例の治療開始前血漿を用いたメタボローム解析を行い、血漿中の代謝産物を網羅的に測定した。血漿メタボローム解析データを事前に解析したゲノム変異データで層別化して主成分解析および判別解析を実施したところ、ARID1A、PIK3CA共に癌の代謝活動に影響を及ぼしていることが示された。その中でもARID1A変異に関しては変異の有無によって代謝産物のプロファイルを明確に2群に分けることが可能であった。 ARID1Aがエピゲノム制御を通してタンパク質の発現、その下流の代謝調節を広く制御していると考え、より詳細にARID1A変異と血中代謝産物濃度との関連解析を行った。その結果、特定の脂質クラスターの濃度がARID1A変異の有無で統計学的な有意差をもって異なることが確認された。さらに、ARID1A野生型卵巣明細胞癌細胞株であるRMG1でARID1Aの発現を抑制すると、同脂質クラスターの代謝経路に関与する代謝酵素の発現が変動することが確認された。今回特定した脂質クラスターは癌の増殖や転移、腫瘍微小環境などに影響を及ぼすとされる代謝産物である。ARID1A変異を有する明細胞癌は同脂質代謝を癌に有利な方向へと制御している可能性があると考え、代謝酵素阻害剤などを用いた細胞モデルでの実験検証を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体を用いた全エクソーム解析もしくは全ゲノム解析、血漿メタボローム解析が21症例まで完了し、解析データを用いた多層オミックス解析からARID1A変異が関与する代謝変動の同定までを行うことができている。また、実験的な検証を行うためのARID1Aノックアウト細胞の作製も完了し、治療開発に向けた実験モデルの準備も整った段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、解析対象症例を順次拡大しより大規模なデータからの多層オミックス解析を予定している。また、血漿を用いたプロテオーム解析などの情報も加え、より有機的なオミックス解析を展開していく予定である。 平行して、明らかとなった知見に着目した代謝経路を標的とした新規癌個別化医療について、実験モデルも用いた検証を行う予定である。長期維持継代が可能な明細胞癌オルガノイドの作成も試みる。
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Causes of Carryover |
ゲノム解析、メタボローム解析などに供する研究試料が予定数に到達しておらず、次年度以降に解析が必要な検体が生じたため。
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