2023 Fiscal Year Research-status Report
免疫療法の効果を予測する新規バイオマーカー及び効果を増強する新規治療法の開発
Project/Area Number |
23K06696
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 祐二朗 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30800982)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / セマフォリン / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
①神経ガイダンス因子の一つであるセマフォリン4Aが、がん微小環境において抗腫瘍リンパ球を活性化するメカニズムの一端として、リンパ球内部の代謝変化(細胞内ポリアミン合成の促進)をもたらす事を見出した。また、リンパ球上のT細胞受容体発現制御に影響を及ぼす事も見出しており、そのメカニズムをさらに追及するための実験系の構築(細胞株の作成や顕微鏡観察の条件検討)を進めている。 ②免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測するバイオマーカーとしての有用性を検証するため、大阪大学医学部附属病院とその関連施設において免疫チェックポイント阻害薬を投与した肺癌患者の腫瘍検体を多数収集した。腫瘍におけるセマフォリン4Aの発現を免疫染色にて評価し、実臨床における治療効果との相関を検証する予定である。 ③マウスの担癌モデルにおいて、リコンビナントセマフォリン4A蛋白静脈内投与が抗PD-1抗体の治療効果を高める事は検証済みであるが、最も有用な投与経路を確立するため、担癌マウスモデルを用いて腫瘍内投与の有用性を検証している。 ④腫瘍環境にセマフォリンを誘導する治療方法が有用であるかを検証するため、担癌マウスモデルにおいてTet-onシステムを用いて腫瘍細胞にセマフォリン4Aを誘導する実験系を確立する予定である。現在のところ、実験系に必要な細胞株の作成を進めている。細胞株の作成が完了すれば、引き続いてマウスへの投与・治療実験を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの経過に継続して研究を行っており、おおむね想定通りと考える
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Strategy for Future Research Activity |
概要に記した通り、引き続き現在の研究計画に沿って検証を進める予定である。
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Causes of Carryover |
これまでの研究に継続して効率的な解析を進めた結果、消耗品や受託解析の費用が節約できたため。次年度に、追加解析を行うなど有効活用させて頂く予定です。
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[Presentation] 腫瘍由来のセマフォリン4AはCD8陽性T細胞の細胞障害活性と増殖能を高め、抗PD-1抗体の治療効果を増強する2023
Author(s)
Yujiro Naito, Shohei Koyama, Kentaro Masuhiro, Takashi Hirai, Takako Inoue, Tomohiro Machiyama, Motnohiro Yamiya, Kazuo Yamashita, Masahide Mori, Yoshito Takeda, Atsushi Kumanogoh
Organizer
第82回日本癌学会学術総会