2023 Fiscal Year Research-status Report
潰瘍性大腸炎背景粘膜のLINE1 hypomethylation indexによる炎症性発癌リスクの評価
Project/Area Number |
23K06702
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
須並 英二 杏林大学, 医学部, 教授 (70345205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 幸一郎 杏林大学, 医学部, 助教 (20549208)
吉敷 智和 杏林大学, 医学部, 講師 (20549216)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / LINE1 |
Outline of Annual Research Achievements |
潰瘍性大腸炎(UC)患者においてCACとSCを確実に鑑別する方法の確立は課題である。CAC発見に向けたサーベイランスは背景となる粘膜の癌化リスクに応じて個別化される必要があり、癌化リスクが低い状況で発生した大腸癌で侵襲の甚大な大腸全摘術は本当に必須であるかは考慮すべきといえる。 一般的な癌(抑制)遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化とLINE1遺伝子のメチル化は負の相関があり、LINE1 hypomethylationの程度(LHI)は他遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化と相関する。またLHIは、遺伝子の安定性と負の相関を示すためMSIと相関を示す。 今回は癌化リスクの評価として、UC患者およびSC患者における背景粘膜におけるLHIを検討し、LHIとCAC発生に関して検討を行い、背景粘膜におけるLHI評価がCACの鑑別に有用か、発生リスクを評価することにつながるかの検討を行う。 本年度は、大腸癌を生じたために切除されたUC患者の検体を収集した。さらに基礎的検討として、LHIの計測、測定誤差に関する評価を行い、再現性の確認を行った。ついでLHIはSCにおいて前癌状態から癌の発育進展に伴い連続的に変化することを確認した。その上でまずUC10症例で検討を行った。非癌部粘膜および癌部からLCMを用いて腺管細胞および癌細胞のみを選択的に採取しLHIを測定したところ、非癌部の粘膜においてLHIの分布は予想より狭いことが判明したが、癌部でのLHI分布は後半に及んでいた。LHIの高いもの2症例はSCの形態的特徴、病理学的特徴を有していたが統計的処理、その他の組織学的、分子生物学的評価分析を詳細に検討する必要がある。今後は、症例を蓄積し、背景粘膜のLHIに関する分析を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例の蓄積状況は問題ないと考える。 他施設の協力も仰ぐことで、UC癌化症例を40症例集める目処は立っている。 LCM機器の故障により、材料の収集に遅延を生じたが、他施設のLCM機器を使用することが可能となりこれ以上の遅延はないものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
この後の研究方針 # 背景粘膜におけるLHIの分布領域は予想より狭いため、より詳細な炎症程度、罹病期間、治療歴などの情報を収集し、症例あたりの材料取得部位を増やす。これにより背景粘膜LHIとCACの関連をより詳細に検討する。 # SCとCACの癌におけるLHIの相違を検討する。 特にSCとCACとを明確に分類することは不可能であり、CACに特徴的とされる病理組織学的あるいは分子生物学的因子ごとに詳細な分析を行う必要はある。
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Causes of Carryover |
LCMの故障により今年度行うはずであったLHI分析が全て次年度に繰り越されてしまった。他施設のLCMを使用する目処は立っており、それにより来年度はLHI分析を行う標本数が大幅に増加するため経費はほとんどそこに費やされる予定である。今年度はその分の労力を標本収集や基礎実験などに費やしたため経費の使用が少なくなった。
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