2023 Fiscal Year Research-status Report
ヘルパーエピトープを含む新規WT1経口がんワクチンの効果
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23K06716
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
皆川 光 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (60792132)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん免疫 / WT1 / 経口ワクチン / 白血病 / WT1特異的CTL / ヘルパー機能 / 拒絶実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、白血病マウスモデルにおいてヘルパーエピトープを含むWT1蛋白発現ビフィズス菌を用いた新規経口がんワクチンの治療を行い、その抗腫瘍効果を探索することである。これまでに我々はこのWT1蛋白をターゲットとしてWT1経口がんワクチン(B. longum 420)を開発し、白血病マウスモデルにおいて抗腫瘍効果があることを確認した。これに加えて新たにWT1蛋白のアミノ酸配列の中でヘルパーエピトープとなる部分を含んだビフィズス菌経口がんワクチン(B. longum. 2656)を開発した。本研究ではマウスモデルでB. longum. 420に対するB. longum. 2656の上乗せ効果について免疫学的背景を明らかにしながら探索し、将来の臨床応用を目指していく。 腫瘍の拒絶実験として、B. longum420で免疫したマウスに腫瘍を接種した。すなわち、B. longum420を6週間内服させてWT1特異的CTLを誘導した状態で、WT1を発現するよう改変したマウス白血病細胞株C1498-mWT1を皮下接種した。経時的に腫瘍の大きさを測定していき、ワクチン接種により腫瘍発生率や腫瘍増大の程度がどう改善するか検討した。その結果、B. longum420投薬の濃度依存的に、腫瘍増大抑制効果と腫瘍拒絶効果を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他の業務との関係で、本研究に充てるエフォートを低下せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
人員を確保して他業務量を減らすことで、研究者が本研究に割ける時間を確保する。
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Causes of Carryover |
今年度に遅れてしまって施行できなかった実験を次年度に行う。 具体的には、B. longum420にB. longum2656を併用することで抗腫瘍効果が高まる作用機序を検討していきたいと考えている。すなわち、マウスにB. longum 2656を併用して投薬し、サクリファイスしてパイエル板と腸間膜リンパ節を回収し、それぞれの組織でCD8+CTL中に占めるWT1特異的CTLの割合がどの程度上昇するか、フローサイトメトリー法で検討する。この実験を、ビフィズス菌Wild type群、B. longum 420群、B. longum 2656群、B. longum420+B. longum2656併用群を用意して行い、各群の比較を行う予定である。
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