2023 Fiscal Year Research-status Report
キャピラリー電気泳動を用いた新規血中循環腫瘍細胞検出技術の開発
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23K06729
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山本 哲志 近畿大学, 薬学部, 准教授 (20453920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 将源 関西医科大学, 医学部, 講師 (30755616)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 血中循環腫瘍細胞 / キャピラリー電気泳動 / 糖鎖修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに構築しているキャピラリー電気泳動を用いた細胞分析法により、血中循環腫瘍細胞(CTC)の検出をすることができるかの検討を行った。 初めに、血液中の血球と癌細胞を区別して検出することができるかについて検討を行った。癌細胞のモデルとして培養大腸癌細胞であるDLD-1を用いた。これらを分析するとおよそ5分付近に細胞由来のピークを複数確認することができた。また、市販されている健常者由来の血液を分析した結果、血球由来の細胞のピークが15~20分付近に確認された。そこで、この血液に培養癌細胞の懸濁液を添加して検出を行ったところ、同様に癌細胞由来のピークが5分付近に確認され、血球由来のピークが15~20分付近に確認され、それぞれを区別して検出できることが明らかになった。 次に、血液1mlあたりに100個以下存在すると言われるCTCを検出することができるかを明らかにするため、培養大腸癌細胞のDLD-1とSW480を用いて検出できる細胞数の検討を行った。調製した細胞溶液中の細胞数が低下するにつれピークは小さくなっていったが、キャピラリー電気泳動装置内に導入された細胞数が100個以下になっても細胞由来のピークを確認することができたので、本分析法はCTCの検出に使用できることが明らかになった。 以上のことから、これまでに我々が構築しているキャピラリー電気泳動を用いた細胞分析法を用いることで血液中のCTCを血球細胞と区別して検出することができる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、本年度は癌細胞と血球細胞の分離条件の検討を中心に行う予定であったが、構築済みの方法を特に変法することなく達成することができ、来年度に渡って検討する予定であった検出できる細胞数の限界についての検討も達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画よりも進展するかたちで血球と癌細胞を分離して検出する方法の構築ができたため、臨床検体を用いて実際にCTCを検出することができるかについて検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
患者検体を採取するのに必要な材料や試薬を購入するため、研究分担者へ予算を分配していたが、本年度は実際に採取するところまで至らなかったため使用実績がなかった。 次年度以降の研究計画では実際に患者検体を使用していくことになるので、そこで使用して次年度以降の繰り越しが発生しないように予算を執行していく予定である。
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