2023 Fiscal Year Research-status Report
脆弱X関連振戦運動失調症候群の不安定リピート伸長による細胞死と腫瘍化メカニズ ム
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23K06808
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
松浦 徹 自治医科大学, 医学部, 教授 (90402560)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | FXTAS / 体細胞モザイク / リピート不安定性 / 腫瘍化 / ミスマッチ修復遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
FXTASは、FMR1遺伝子の5’UTRリピート長が 55 から 200に不安定伸長すると発症する神経変性疾患である。FXTASの詳細な分子病態は不明であり、腫瘍も高頻度に合併する。FXTAS剖検凍結組織(神経~非神経組織、膵臓・膵癌組織を含む計21組織)、白血球・リンパ芽球からDNAを抽出し、膵臓癌組織のリピート長が正常膵組織を含めたその他の組織に比べて著しく伸長し、不安定になっていることを確認した。更に、罹患神経組織(小脳)と非罹患神経・他臓器との比較解析を施行した。神経組織・非神経組織間共にマイルドな体細胞モザイクを認めたが、各組織のリピート不安定性は乏しかった。罹患組織と非罹患組織間の リピート長・不安定性との明らかな相関は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究に着手し、結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
FXTAS CGGリピート長の体細胞不安定性メカニズムを明らかにするために、複数のミスマッチ修復遺伝子(MMR)群 の役割を明らかにする。各組織からDNAと同時に抽出したRNA・タンパクを用いて、リアルタイムRT-PCR とウエスタンブロット法で各種MMR発現レベルを解析し、リピート長と不安定性との相関を検討する。その結果、最もリピート伸長と不安定性に寄与するMMRを決定する。
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Causes of Carryover |
設備備品については現有のもの、あるいは自治医科大学の学内施設のもので行った。生化学実験、分子生物学実験、培養細胞を使った実験を次年度に行う。
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