2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K06853
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三浦 史郎 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (00441650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 弘紀 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80315093)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 網膜色素変性症 / 先天性白内障 / 筋萎縮症 / 痙性対麻痺 / RDH11 / PAX6 |
Outline of Annual Research Achievements |
【家系1:若年発症の網膜色素変性症、精神発達遅滞、側弯症を伴う筋萎縮症家系】 ・臨床像の解析においては、罹患者に共通して、筋力低下・筋萎縮は近位筋優位で、傍脊柱筋に最も強かった。下肢CTでは近位屈筋優位に筋萎縮と脂肪置換を認めた。筋生検ではタイプ1線維が優位であった。針筋電図ではどちらかというと筋原性よりも神経原性の可能性が高いと考えた。また、関連は不明であるが、CT画像を施行した全例で仙骨嚢腫が認められた。 ・発症者DNAを用いてwhole genome sequencingを行い、遺伝性ミオパチー、遺伝性筋ジストロフィー、遺伝性ニューロパチー、遺伝性筋萎縮性側索硬化症といった筋萎縮をきたす疾患の既知責任遺伝子セットについて疾患責任遺伝子変異を探索したがみつからなかったため、網膜色素変性症の疾患責任遺伝子セットについて調べたところ、RDH11遺伝子exon 4に新規ナンセンス変異(NM_001252650: c.405 G >T [p.Tyr135X])をホモ接合で認めた。また非発症の母親が当該変異をヘテロ接合で持つことを確認した。現時点ではRDH11遺伝子が本疾患の責任遺伝子であると疑っている。 【家系2:先天性白内障を伴う痙性対麻痺家系】 ・発症者DNAを用いてwhole exome sequencingを行い、遺伝性脊髄小脳変性症、遺伝性痙性対麻痺の既知責任遺伝子について疾患責任遺伝子変異を探索したがみつからなかった。次いで、先天性白内障の疾患責任遺伝子について調べたところ、PAX6遺伝子exon 3に新規ミスセンス変異(NM_001310159, c.76C>T: p.R26W)をヘテロ接合で認めた。当該変異は家系内罹患者のみがヘテロ接合でもっていることを確認した。現時点ではPAX6遺伝子が本疾患の責任遺伝子であると疑っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定から逸脱していない。
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Strategy for Future Research Activity |
【家系1:若年発症の網膜色素変性症、精神発達遅滞、側弯症を伴う筋萎縮症家系】 患者の筋肉から抽出したRNAを用い、RNA-Seqによる疾患発現に重要な遺伝子群・パスウェイ同定をまずは試みる。並行して、マウスC2C12細胞(筋肉系cell line)を用いてsiRNAによるRDH11遺伝子のノックダウン実験を行う。 【家系2:先天性白内障を伴う痙性対麻痺家系】 今回みつけた変異がPAXドメイン内に位置するため、ルシフェラーゼアッセイを用いてDNA結合能への影響を評価する。また、患者血液から抽出したRNAを用い、RNA-Seqによる疾患発現に重要な遺伝子群・パスウェイ同定を試みる。また当該変異を培養細胞に導入しRNA-seqを行うことで、遺伝子発現変化を検討する。
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Causes of Carryover |
実験の条件検討が想定よりうまくいったため、試薬の使用量が想定より少なく済んだため、残金が生じました。残金については今後の実験に使用します。
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Research Products
(2 results)