2023 Fiscal Year Research-status Report
Measuring vascular endothelial damage from blood - Purification and analysis of vascular endothelial-derived extracellular vesicles.
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23K06860
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
川上 恭司郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90589227)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / エクソソーム / バイオマーカー / 血管内皮細胞 / 長期縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血管内皮細胞に特異的な細胞外小胞(EV)の精製とその網羅的解析を行い、血管に障害を引き起こす疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)での血管内皮細胞の病的変化を早期に検出する新規バイオマーカーを見出すことを目的としている。 本年度は血漿からの血管内皮細胞由来EVの精製法の確立に取り組んだ。血管内皮細胞に特異性が高く発現しているとされているタンパク質に対する抗体を複数種類用意し、磁気ビーズに結合させた。それらの抗体結合磁気ビーズと血漿と反応させることで、血管内皮細胞に特異的なEVを回収し、その精製度合いをmiRNAの検出により評価し、血管内皮細胞由来EVの精製に最適な抗体の選出を行った。その結果、精製時の混入と考えられる血小板に多いmiRNA(miR-223-3p)が少なく、血管内皮に多いmiRNA(miR-126-3p)を多く検出することが可能な抗体とその精製条件を見出すことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、血漿からの血管内皮細胞特異的EVの精製に関してはほぼ完成している。本研究において、精製の段階が最も困難な部分と考えていたため、その段階を達成したことから、本研究課題は順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状、血管内皮細胞に特異的なEVの精製法はほぼ確立している。今後は、この手法を用いて、血管内皮特異的EVのプロテオーム解析やmiRNA-Seq解析のような網羅的解析が可能であるかを検討する予定である。もし可能であれば、患者検体を用いたバイオマーカー探索へと進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
本年度は予算の不足により、前倒し請求を行い、不足分を補填した。最終的には少額の残高が発生したが、これは翌年度分と合わせて使用していく予定である。今後はプロテオーム解析、miRNA-Seq解析、ウエスタンブロット解析、ELISA、PCRなどを行い、研究計画に基づいて効率的に予算を執行していく予定である。
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