2023 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者の主観的年齢が2年後の身体機能および新規要介護発生に与える影響
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23K06878
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
高取 克彦 畿央大学, 健康科学部, 教授 (90454800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (20511554)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 主観的年齢 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象地域の地域在住高齢者に対してベースラインの郵送式アンケート調査を実施し,約5000人の回答を得た。現在,欠損値の処理などのデータクリーニングを実施し,単年度における主観的年齢と社会活動,近隣者とのつながり,地域への信頼,基本チェックリストを用いたフレイル判定との関係性を分析中である。また同時に,運動を中心とした住民主体の通いの場を約40箇所巡回し,約200名の歩行速度,姿勢評価などを実施した。こちらも現在,横断的分析に向けてデータクリーニングなどを実施中である。予備的分析の結果では主観的年齢が実年齢より若いと感じている高齢者は基本チェックリストによる運動機能下位スコアが高く,社会参加活動スコアが高い傾向が認められた。 住民主体の通いの場で得た歩行速度,認知機能,通いの場での役割の有無などについてデータ分析した結果,活動地域により参加者特性(身体機能,自覚的記銘力など)に地区間の格差が存在することが明らかとなったため,追加的な解析としてクラスター分析を実施した。これにより通いの場を要介護リスクの高い参加者が多い「ハイリスクタイプ」と元気高齢者の参加が多い「低リスクタイプ」,両者の中間的な位置付けとなる「中リスクタイプ」に類型化を試みた。今後,主観的年齢との関係についてはこれらの類型化を分析に取り入れ,実年齢とのギャップの大きさが通いの場の類型により異なるかどうかも解析する方針とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
郵送式アンケートによる大規模アンケート調査および通いの場における実地データ収集ともに当初の計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度:昨年収集したベースラインデータを用いた主観的年齢と各種健康関連アウトカムとの関係性を横断的に分析する。また通いの場への巡回で得た実地データ(姿勢評価および歩行速度)と主観的年齢にとの関係性の横断的分析を実施する。通いの場でのデータ収集は対象箇所を拡大し,継続して行う。 令和7年度:郵送式アンケートによるフォローアップ調査を実施し,主観的年齢と新規要介護認定との関連性を縦断的に解析し,因果関係についても構造方程式モデリングを用いた分析を行う。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画通り学会での研究成果発表に必要な旅費,学会参加費および論文作成に係る英文校閲料,投稿料,各種消耗品などの購入,より詳細なデータ解析な必要となる統計解析ソフトのアドイン導入,分析の効率化を図るPCディスプレイの購入に使用する。
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