2023 Fiscal Year Research-status Report
Unified mechanism elucidation of efficacy and side effects of JAK inhibition by targeting dendritic cells
Project/Area Number |
23K06897
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 量基 関西医科大学, 医学部, 教授 (70434826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70115947)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | plasmacytoid DC / I型IFN / JAK阻害薬 / Ruxolitinib / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
JAK阻害薬添加による樹状細胞サブセットにおけるサイトカイン遮断能検定 初年度は、JAK阻害薬のうち、ルキソリチニブに絞って、検討した。健常人末梢血を採取、末梢血単核球を比重遠心法後、抗ヒトCD3, CD14, CD19, CD56マウス精製抗体、磁気ビーズまた磁性カラムを用い、B・T・単球・NK細胞を除去した。このDC濃縮細胞群を採取し、4 color cell sorterを用いてmDC(CD4+,CD11c+,lineage-(CD3-, CD14-,CD15-, CD16-, CD19-, CD56-),BDCA4-)とpDC(CD4+,CD11c-,lineage-(CD3-, CD14-, CD15-, CD16-, CD19-, CD56-),BDCA4+)の各サブセットを単離した。 樹状細胞サブセットに、刺激物質を加え様々な濃度にしたRuxolitinibを添加し、24時間培養した。RuxolitinibはpDCの生存率を1μMより低下させた。(臨床血中濃度は0.6-3μM)またCpG刺激によるIFN-α産生は0.03μMより抑制された。この差からは、Ruxolitinibにより、細胞障害性以上のpDCの機能的抑制があると考えられる。一方、mDCは10uMでも、細胞障害性は認められなかった。しかし、R848による刺激に置いて、3uMよりIL-12産生の低下が認められた。 この結果から、臨床的血中濃度のJAK阻害薬Ruxolitinibは、pDCの生存率やIFN-α産生を抑制する。一方、mDCに対する抑制効果は低的に低いことが判明した。RuxolitinibはpDCのI型IFN産生能を強く抑制することでウイルス感染を誘発する原因になっていると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
JAKファミリー選択性の異なる5つのJAK阻害薬を用い、刺激した各サブセットに臨床有効血中濃度で添加・培養後、液性因子産生(pDC:IFN-a、mDC: IL-12をELISA法にて解析する計画であったが、初年度は、調整樹状細胞の量が少ないこともあり、5つのJAK阻害薬の並列使用での比較は困難であり、本年度での検討は断念して、Ruxolitinibに絞った解析としたことが、やや遅れている理由である。JAK阻害薬として、Ruxolitinibの作用は十分に解明し得たが、他のJAK阻害薬4つの同時比較にまで及ばなかった。大学院生と研究補助員の研究補助時間が十分取れなかったことも一つの原因であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、健常者末梢血の樹状細胞の検討を、着実に進めて、他4つのJAK阻害薬で同様の検討を実施して、データ収集する。それに加えて、患者血球・血清における実験として、ルキソリチニブを投与している真性多血症患者において、 血中樹状細胞サブセットの絶対数・比率を解析し、刺激によるサイトカイン産生能を解析することで、vivoのデータも蓄積する。 そのために、大学院生と研究補助員の研究補助時間を前年度より増加する予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度の使用金額は、これまでの樹状細胞単離用試薬(dynabeadsや標識抗体)や、解析用試薬(ELISAやPCR用試薬など) を利用出来たため、消耗品の追加購入が少なくてすんだことと、大学院の研究補助時間が十分取れず、その謝金も不要であったことから、次年度使用額が生じた。また次年度は、ルキソリチニブ以外の他のJAK阻害薬での検討を並列に行うため、実験数の増えること。また、解析としてmicroarray法などを実施予定であり、助成金の予定学が増大するために、それに当てる予定である。 使用計画:JAK阻害薬による細胞内シグナル解析 樹状細胞に対して、JAK関連mRNA発現の変化を検証するために、JAK阻害薬添加前後でマイクロアレイ法による網羅的検索を行う。
|