2023 Fiscal Year Research-status Report
MuSK抗体陽性重症筋無力症に対する標的抗原Fc融合タンパクを用いた革新的治療法開発
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23K06921
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鵜沢 顕之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10533317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 聡 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70282481)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 重症筋無力症 / 融合タンパク / MuSK抗体 / 新規治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、MuSK抗体陽性重症筋無力症(MuSK+MG)の新たな治療薬の候補として融合蛋白MuSK-Fcの有効性を検証することである。MuSK-FcにはMuSK領域によるMuSK抗体の中和活性と、Fc領域によるMuSK抗体産生病原性B細胞障害活性の2つの作用機序が想定される。 今年度は、MuSK-FcのMuSK抗体への結合・中和活性を検討した。市販されているモノクローナル抗体であるMuSK抗体、AChR抗体を濃度を振ってELISAプレートに固相化し、ビオチン化したMuSK-Fcと反応させた。その結果、MuSK抗体とは濃度依存性に結合がみられたが、AChR抗体とは結合がみられず、MuSK-FcとMuSK抗体の特異的な結合が示唆された。次に患者血清および健常者血清からIgGを抽出し、ELISAプレートに濃度別に固層化し、MuSK-Fcとの結合を確認した。結果、MuSK+MG患者由来IgGで健常者IgGと比較してMuSK-Fcとの高い結合が認められた。 現在は、MuSK-FcとMuSK抗体の競合アッセイ (ELISA)の解析を進めている。リコンビナントMuSKを固層化し、①患者IgGのみ群、②IgG+MuSK-Fc群、③MuSK-Fcのみ群、④IgG+エタネルセプト群を反応させ、ビオチン化human IgG抗体で検出を試みる予定としている。MuSK抗体産生病原性B細胞障害活性についてはELISPOTを用いて検討する予定であり、現在病原性B細胞の検出法の確立を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として研究はおおむね順調に進展していると考えている。このまま研究が進められれば、研究期間中に十分に研究課題の遂行が可能であると考えている。病原性B細胞の検出法が未確立であり、ELISPOT以外にもFACSなど複数の方法で検出ができないか模索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、MuSK-FcとMuSK抗体の競合アッセイ、MuSK抗体産生病原性B細胞障害活性を明らかにする検討を進めていく予定であり、並行して病原性B細胞の検出法の確立を目指している。 これらの機序を科学的に証明できれば、研究成果を国内外の学会や論文で報告していく予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入の際、値引きがあり予定よりも安く購入できたこと、また、病原性B細胞の検出の基礎検討の段階でやや時間を要したことから、来年度以降に余った予算を使用する予定である。 使用計画:繰越金が発生してしまったが、次年度の研究費とあわせて研究遂行に必要な物品などを適宜購入していく予定である。
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