2023 Fiscal Year Research-status Report
UBQLN2・HSC70/HSPA1複合体の機能低下に着目した筋萎縮性側索硬化症の病態解明
Project/Area Number |
23K06968
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 健一 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50722881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 宏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10326035)
田中 章景 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30378012)
窪田 瞬 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (60891851)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / UBQLN2 / シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
Recombinantタンパク質を用いた、in vitroの解析系において、野生型またはバリアント型UBQLN2存在下でHSC70やHSPA1へのBAG2の結合量を測定することにより、結合への UBQLN2の影響を調べた。また、培養細胞に野生型またはバリアント型UBQLN2を過剰発現した状態で、HSC70やHSPA1とBAG2の結合を比較した。Recombinantタンパク質を用いたin vitroの解析系において、変性ルシフェラーゼを基質としたHSC70やHSPA1のrefolding活性に対して、野生型またはバリアント型UBQLN2がどのような影響を与えるかの解析も行った。 さらに、UBQLN2の機能喪失仮説の検証のため、siRNAによりUbqln2をノックダウンしたNeuro2a細胞のプロテオーム解析を行い、変化のあったタンパク質を新たなUBQLN2の基質として同定することを目的とした。ショットガン解析およびリン酸化ペプチド解析を行った結果、ユビキチン・プロテアソーム系、ER-Golgi小胞輸送に関連した蛋白質が同定され、これまでに報告されていたUBQLN2の機能に関連した蛋白質として矛盾のない結果であった。また、これまでに報告のない機能と関連した蛋白質としては、エクソソームやエンドサイトーシスに関連した蛋白質が同定された。今後、これらの蛋白質のUbqln2への関わりを調べることで、ALSにおけるUBQLN2病態を解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞におけるUbqln2ノックダウンの結果、変化が見られたタンパク質について、Ubqln2ノックダウン培養細胞系に野生型またはバリアント型Ubqln2を発現させ、タンパク質の量のレスキュー効果に違いがあるかどうか検証を行うことができる。また、ヒト病理組織および申請者が作成したUbqln2-KOマウスの脳組織切片において発現・局在変化を検討することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
ALS剖検組織におけるUBQLN2やHSC70、HSPA1の免疫染色はこれまでに行われてきた。しかし、HSC70、HSPA1は細胞内に大量に発現しておりHSC70、HSPA1単独の免疫染色を行っても、局在変化を検出することは困難である。本研究では、UBQLN2、HSC70、HSPA1単独の解析ではなく、UBQLN2-HSC70複合体およびUBQLN2-HSPA1複合体の解析を行うために、UBQLN2-HSC70複合体やUBQLN2-HSPA1複合体に特異的なモノクローナル抗体を作成する。
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Causes of Carryover |
UBQLN2の機能喪失仮説の検証のため、siRNAによりUbqln2をノックダウンしたNeuro2a細胞のプロテオーム解析を行い、変化のあったタンパク質を新たなUBQLN2の基質として同定したが、予定したよりも少ないタンパク質数であったため、実際に必要になった抗体の購入額が予定よりも下回った。次年度は、UBQLN2の基質として新たに同定したタンパク質の購入した抗体を実際に使用した後で、特異度・感度を検討し、今後の実験に使うことが難しい場合は、別のメーカーの抗体を購入する予定である。
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