2023 Fiscal Year Research-status Report
Pan-neuro-glial networkにおける抗精神病薬の作用と有害反応機序の探索
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23K06986
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福山 孝治 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90832535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 元宏 三重大学, 医学系研究科, 教授 (10281916)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 神経薬理学 / 抗精神病薬 / グリア伝達 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
AMP活性化プロテインキナーゼ活性化因子(AMPK)及び抑制性のグリオトランスミッターとして働くβ-アミノイソ酪酸エナンチオマー(L-BAIBA)は、活性化されたアストログリアヘミチャンネルを介して放出され、視床下部におけるAMPKシグナルを活性化させ、体重増加や代謝障害を引き起こすと考えられる。クロザピンによる統合失調症への有効性、体重増加及び代謝障害を明らかにするため、L-BAIBAの機能解析を行った。クロザピンの慢性投与による培養アストロサイトにおけるL-BAIBA合成の増加を明らかにし、L-BAIBAがクロザピンにおける体重増加や代謝障害に関与している可能性を示した。さらに統合失調症のグルタミン酸仮説モデルである、視床皮質路におけるグルタミン酸伝達の亢進に対しても、L-BAIBAはGABAB受容体及び代謝型グルタミン酸受容体を介してクロザピンと同様の作用を示すことを明らかにし、クロザピンの治療効果にもL-BAIBAが重要な役割を果たしている可能性を示した。またこれまでクロザピンによるアストログリアヘミチャンネルに対する影響に関してConnexin43を中心に解析を行ってきたが、Pannexin1及びP2X7受容体もアストログリア伝達に重要な役割を示していることを明らかにしており、クロザピンによるこれらへの影響を明らかにすることがより有効性と安全性が高い新規抗精神病薬開発に繋がると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに5本の論文投稿に至っており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで解析を行ってきたConnexin43に加えて、クロザピンによるPannexin1への影響を解析していく予定である。
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