2023 Fiscal Year Research-status Report
mtDNAデノボ解析による双極性障害とmtDNAバリアントの関連検証
Project/Area Number |
23K07021
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西岡 将基 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00780503)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ミトコンドリアDNA / 双極性障害 / ヘテロプラスミー / ホモプラスミー / デノボバリアント / ミトコンドリア病 / m.3243A>G / missing heritability |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画は、mtDNAバリアントを網羅的に検出し、双極性障害との関連を検証することが目的である。本年度は、予備データに症例・深度を追加して、合計194トリオ+41症例+39コントロールのmtDNAシーケンスデータの取得・解析を行った。mtDNAデノボバリアントを含むmtDNAヘテロプラスミーについては、一般集団として東北メディカルメガバンク (ToMMo) のmtDNAデータ(対照772トリオ、非トリオ8300名)を設定し、トリオ同士の比較を行い、統計学的検定を行った。双極性障害試料はmtDNAを核酸プローブにて濃縮し、高深度でシーケンスし、アレル割合1%以上のmtDNAバリアントを、高精度・高感度に検出し、ToMMoデータと深度をマッチさせてトリオ試料由来ヘテロプラスミーを比較した。mtDNA自体は母系遺伝で父からは伝達されないが、核DNAにmtDNAの相同領域があり、父から伝達された相同領域によるミスアライメントは偽陽性の大きな原因となるため、父由来DNAを技術的コントロールとして設定し、このトリオ解析によって国際的に優位性のある精密なmtDNA解析を行った。結果として、コントロールToMMoと比較して、双極性障害では、「ミトコンドリアtRNA上のヘテロプラスミー、特に機能障害性のヘテロプラスミーが多い」「中でもミトコンドリア病MELASの原因変異であるm.3243A>Gバリアントが高頻度かつ、MELASより低アレル割合で検出される」ことがわかり、論文にて報告した。レアバリアントとしてのヘテロプラスミーと対比して、コモンバリアントとしてのホモプラスミーの解析を開始した。mtDNAホモプラスミーについて、双極性障害235例とToMMo 54Kパネル(54,302名の公開データ)を比較し、現在解析中であり、試料としては非トリオ試料200名の収集が完了した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画全体として、300トリオ由来双極性障害患者試料に非トリオ患者試料150名を追加(合計450名)して、解析完了の予定となっている。2023年度末時点で、260トリオの試料収集と、200名の非トリオ試料の収集が完了している。ヘテロプラスミー・ホモプラスミー解析としては、194トリオ+41症例の解析が終了しており、ホモプラスミー解析ではToMMo 54Kパネル(54,302名の公開データ)との比較を開始している。以上から、今年度までの進捗として順調である。解析方法としても、mtDNAを核酸プローブにて濃縮して高深度でシーケンスする実験方法は順調に稼働しており、GATK-Mutect2を用いてアレル割合1%以上のmtDNAバリアントを高精度・高感度に検出するパイプラインもバリデーション実験にて高性能であることを確認している。バリアント候補のターゲットアンプリコンシーケンスによる確認実験では、バリデーション率90%以上と高い精度で候補を確認できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
サンプルサイズ推計から、300トリオ由来双極性障害患者試料に非トリオ患者試料150名を追加し(合計450名)、十分なサンプルサイズで対照と比較する計画である。現在順調に進んでおり、計画通り、または計画以上のサンプルサイズでの比較解析の遂行を予定している。今後はトリオ収集にてトリオ試料を追加し、合計300トリオの収集・DNA解析を目指す。非トリオ試料は既に計画以上の試料収集・DNA解析が完了しているが、さらなる資料収集にてサンプルサイズの拡大を目指す。計画当初は、ToMMoデータ8,000名との比較を予定していたが、その後ToMMoゲノムデータパネルが拡充し、今後はToMMo 54Kパネル(54,302名の公開データ)を対照とする予定である。
|
Causes of Carryover |
試料収集状況から、研究が当初の計画以上のサンプルサイズでの比較が可能となる見込みとなったため、今年度は試料収集に専念し、次年度以降にまとめて集中的にDNAシーケンスを行う予定とした。サンプルサイズ拡張にて検出力を上げることが研究の価値を高め、またまとめて大規模な配列決定を行う方が費用対効率が良く、研究費をより適正に使用できるためである。
|