2023 Fiscal Year Research-status Report
体内微量リチウム濃度と攻撃性・自殺関連行動の関係の解明
Project/Area Number |
23K07028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 俊太郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20616784)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | リチウム / 精神的健康 / 攻撃性 / 自殺関連行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京都監察医務院において、監察医やスタッフの協力の下、東京都23区内における突然の病死、病気以外の全死亡(死因不詳含む)を対象とした検案事例についてサンプル収集を進めた(眼房水、尿)。また、収集した検体を冷凍保管後、順天堂大学衛生学・公衆衛生学講座に移送し、誘導結合プラズマ質量分析法でサンプルのリチウム濃度を測定した。収集した検体について、超微量の検出限界で検体中リチウム濃度を測定することに成功した。また、性別、年齢、死後時間などの情報を記録し、匿名化電子データを構築することができている。 また、東京都内で実施している地域一般思春期児童の大規模前向きコホート研究(東京ティーンコホート)の参加者を対象とした研究も進めている。同コホートにおいて14歳時に収集した約1000件超の早朝尿検体からリチウム濃度を測定した。また、尿検体からクレアチニン濃度を測定し、それらの濃度と基礎背景情報や精神的健康に関するデータを統合したデータセットを作成した。作成したデータセットを用いて、尿中リチウム濃度と精神的健康の関係について、解析を進めることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東京都監察医務院におけるサンプル収集は順調に進んでおり、収集したサンプルの移送、濃度測定等の行程も支障なく行なえている。基礎背景情報とサンプル情報を併せた統合データセットの作成も進んでおり、解析に向けた準備が整いつつある。 東京都内で実施している地域一般思春期児童の大規模前向きコホート研究(東京ティーンコホート)においても、多数の尿検体について測定を終え、コホートで収集した情報を統合した大規模データセットも完成することができた。この大規模データセットを用いて、予定していた解析を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
東京都監察医務院においては、監察医やスタッフの協力の下、東京都23区内における突然の病死、病気以外の全死亡(死因不詳含む)を対象とした検案事例について今後もサンプル収集を進めていく(眼房水、尿)。また、収集した検体は冷凍保管後、順天堂大学衛生学・公衆衛生学講座に移送し、誘導結合プラズマ質量分析法でサンプルのリチウム濃度測定を進めていく。性別、年齢、死後時間などの情報を記録し、匿名化電子データ構築を進めていく。 東京都内で実施している地域一般思春期児童の大規模前向きコホート研究(東京ティーンコホート)おける、尿中リチウム濃度とコホートで収集した基礎背景情報を統合した大規模データセットを用いて解析を進める。さらに、リチウム研究についての国内外における最新の研究知見を収集し、それらを参考に、論文化を進めていく。
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Causes of Carryover |
検体測定に要する物品費用を予定より抑えることができたが、引き続き次年度に検体測定を行なう予定であり、次年度の検体測定において物品費等が必要となる見込みである。また、次年度は解析や論文化の費用、学会発表などにも費用を要することが予想される。
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[Journal Article] Suicidal Thoughts and Trajectories of Psychopathological and Behavioral Symptoms in Adolescence.2024
Author(s)
Uno A, Nagaoka D, Usami S, Yamaguchi S, Minami R, Tanaka R, Sawai Y, Okuma A, Yamasaki S, Miyashita M, Nishida A, Kasai K, Ando S.
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Journal Title
JAMA Network Open
Volume: 7
Pages: e2353166.
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] The longitudinal relationship between dissociative symptoms and self-harm in adolescents: A population-based cohort study.2023
Author(s)
Riki Tanaka, Shuntaro Ando, Tomoki Kiyono, Rin Minami, Kaori Endo, Mitsuhiro Miyashita, Syudo Yamasaki, Sho Kanata, Shinya Fujikawa, Mariko Hiraiwa-Hasegawa, Atsushi Nishida, Kiyoto Kasai
Organizer
23rd WPA World Congress of Psychiatry
Int'l Joint Research
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