2023 Fiscal Year Research-status Report
ドライバー遺伝子に基づくTACE治療反応性の血清バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
23K07082
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上嶋 英介 神戸大学, 医学研究科 放射線医学分野, 助教 (40645561)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 豊 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10441247)
小松 昇平 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30444590)
祖父江 慶太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (90622027)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 肝細胞癌 / ドライバー遺伝子 / トランスポゾン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当初の予定通りトランスポゾンの選定および導入する肝細胞癌ドライバー遺伝子の配列の決定を行い、追加で動脈塞栓等の前治療を受けたヒト肝細胞癌検体を用いて空間的トランスクリプトーム解析を行いがん微小環境中の遺伝子発現の変化の評価を行った。トランスポゾンを用いたドライバー遺伝子導入実験では、動物実験を行った後のcDNA配列の同定のため、当初はDNA seqを予定していたが、より効率的に各種ドライバー遺伝子発現の残存量を調べるために、バーコード配列の前にprimerに合いそうな8bp程度の別のバーコード配列を追加し、識別できるように工夫した。個体を識別するindex配列のリストをイルミナ社より譲渡頂き、8bpの別のバーコード配列が重複しなてないことを確認した。また、空間的トランスクリプトーム解析では、ドライバー遺伝子であるCTNNB1(βカテニン)発現の多い腫瘍では免疫細胞が少ないimmune coldな腫瘍である頻度が高い事がわかった。現在、上記トランスポゾンを確保し、動物実験を開始する準備が整えているが、ラットを用いて研究を遂行する場合、トランスポゾン導入量が多くなり費用がかさむことが予想された。そのため、予備検討としてまずはマウスモデルにて同内容の発癌モデル作成および肝動脈結紮を行い、研究モデルの実行可能性と治療予測を行う方針として研究を実行している。また、2025年度に予定しているValidation用の臨床検体の確保も同時に並行して行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドライバー遺伝子を導入するトランスポゾンの選定に時間を要した。また、計画段階ではドライバー遺伝子発現の残存量を調べるためにDNA seqを使用する予定であったが、PCRにて増幅し検出可能になるようにバーコード配列の前にprimerに合いそうな8bpの別のバーコード配列を追加し、識別できるように工夫した。個体を識別するindex配列のリストをイルミナ社より譲渡頂き、8bpの別のバーコード配列が重複しなてないことを確認するなど、事前準備に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
トランスポゾンへのドライバー遺伝子導入ができ、動物実験の準備が整った。 ラット肝癌モデルを作成し、計画書通り動脈塞栓術を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
ドライバー遺伝子選定や追加の工夫のため進捗が遅れている。そのため、当初予定していた動物実験の導入が遅れたため、次年度使用額が生じた。今後、予定通り研究を遂行することで、使用予定の軽費通りに研究を行うことができると考える。
|