2023 Fiscal Year Research-status Report
臓器の呼吸性移動を可視化する複合現実の開発:画像下低侵襲がん治療への実装に向けて
Project/Area Number |
23K07083
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 裕輔 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (50614351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸岡 健一 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (80323806)
平木 隆夫 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50423322)
櫻井 淳 岡山大学, 大学病院, 教授 (30444657)
吉尾 浩太郎 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (70623297)
冨田 晃司 岡山大学, 大学病院, 助教 (10823883)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 複合現実 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がんの画像ガイド下治療を複合現実を用いて支援するシステムの開発を行っている。複合現実の臨床応用において大きな障壁となるのが、臓器の呼吸性移動による位置ずれである。これを克服するため、現実空間における臓器の呼吸性移動に連動して、仮想空間上の臓器モデルが常に正確な位置に移動する複合現実技術を開発している。本年度は、320列CT装置を用いて撮像したCTデータを利用して作成した3D仮想腎臓モデルを現実空間に重畳表示し、体表に貼付したマーカーと連動して移動させるプログラムの開発を行った。開発環境にはUnityとVisual studioを使用した。マーカーとしてはExactrac CT Body Markerを使用し、3点のマーカーの重心を取ることにより、マーカーの位置に連動して現実空間上に重畳表示した仮想臓器が移動するプログラムを作成した。これを用いて、複合現実用ヘッドマウントディスプレイを用いて現実空間に重畳表示した仮想腎臓モデルがマーカーに連動して移動することを実証した。今後、呼吸性移動に対応した仮想臓器の位置移動を実装するプログラム開発へと進む予定であるが、その前提として静止状態において仮想空間と現実空間における臓器位置が完全に一致していることが求められる。そのため、現実空間のマーカーと仮想空間のマーカーの座標位置をより精密に一致させる必要がある。現段階では、光学式トラッキング装置(Polaris)を使用して被験者体表に貼付した現実空間のマーカーの位置検出および仮想空間のマーカーとの位置合わせを精緻に行うための検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに、仮想臓器モデルの現実空間への重畳表示およびマーカーと連動した位置移動を実現した。一方、呼吸性移動との同期を実現するには、体表に貼付した実際のマーカーと、そのマーカーに相当する仮想空間内のマーカーの位置合わせを高精度に実現する必要があり、そのための検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、現実空間と仮想空間のマーカー位置の一致精度を向上させた上で、自由呼吸下CTのデータから作成された仮想腎臓モデルを、各呼吸相ごとに実際の呼吸タイミングに同期させて仮想空間内の対応位置にリアルタイムに出力することを目指す。
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Causes of Carryover |
本年度の段階で実際に画像ガイド下手技を行うIVR-CT室において複合現実環境を構築し、座標位置一致精度の検証を行うことを計画していたが、その前提としてマーカーの位置合わせにさらなる検討が必要であり、次年度に施行する見込みとなった。そのため、これに必要な機材の購入を次年度に予定している。
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