2023 Fiscal Year Research-status Report
COX-2を経時的にイメージング可能な新規ニメスリド誘導体の開発
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23K07092
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 由美 東北医科薬科大学, 薬学部, 助教 (70613446)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | COX-2 / ニメスリド / イメージング / 安定性 / 標識合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、代表者が見出した新規ニメスリド誘導体に着目し、国内外において未だ開発途上であるCOX-2イメージング剤の開発を行うことを目的としている。 代表者のこれまでの研究において、ニメスリド誘導体がin vitro/in vivoともにCOX-2イメージング剤として良好な挙動を示すことを明らかにしてきたが、これらの多くは、生体内での安定性に不足があり、投与後徐々に代謝・分解されてしまうことで、「COX-2の分布を経時的に追跡する」という観点でのイメージングには至っていない。本研究を通して、安定性の高いニメスリド誘導体はCOX-2を経時的にイメージング可能なのか、安定性の向上を期待した化合物の新たな設計戦略は正しいのか、新たに設計した新規ニメスリド誘導体はCOX-2イメージング剤として有用なのか、といった課題を検証し、解決するものである。 当該年度において、新規ニメスリド誘導体2種の合成とin vitro評価、1種のF-18標識合成とin vivo評価を実施した。新たに設計した2種のニメスリド誘導体の合成に成功し、どちらもCOX-2に対する高い選択的阻害活性があることを明らかにした。このうち1種のF-18標識合成に成功し、in vivo評価を行ったところ、マウス生体内で非常に安定であり、「安定性の向上を期待した化合物の新たな設計戦略」が正しいことが示された。 現在は2種のニメスリド誘導体に関して「安定性の高いニメスリド誘導体はCOX-2を経時的にイメージング可能か」について評価を続けるとともに、1種の新規ニメスリド誘導体のF-18標識合成条件の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度では、「125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の腫瘍モデル評価」「新規ニメスリド誘導体の合成とin vitro評価」を計画した。具体的には、125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の、HCA-7 colony29細胞(COX-2高発現)あるいはHT-29細胞(COX-2低発現/negative control)を植えた腫瘍モデルを用いた評価を行うことと、評価に使用する新規ニメスリド誘導体の合成を行い、COX-2に対する阻害活性評価、脂溶性評価、細胞膜に対する透過係数測定などの基礎的評価を行うことである。 前者に関しては、腫瘍モデル動物の用意ができず未実施である一方で、後者に関しては予定通り合成、および評価を実施した。 さらに、2024年度の実施を計画していた「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」を先行して実施した。具体的には、標識合成後、正常マウスを用いたin vivo生体内分布、阻害実験、代謝物分析、PET撮像などの基礎的評価を行うことである。 当初2023年度に実施予定であった計画のうち「125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の腫瘍モデル評価」が未実施である代わりに、2024年度に実施予定であった「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」を前倒しで実施し、研究期間全体の達成率は順調であることから、(2)おおむね順調に進展している、と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度に計画していた「新規ニメスリド誘導体の合成とin vitro評価」「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」の7割程度は既に2023年度に前倒しして実施済みである。 そこで2024年度は、2023年度に未実施であった「125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の腫瘍モデル評価」を中心に推進していく予定である。 具体的には、125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の、HCA-7 colony29細胞(COX-2高発現)あるいはHT-29細胞(COX-2低発現/negative control)を植えた腫瘍モデルを用いた評価を行う。 並行して、2024年度計画のうち未実施の、新規ニメスリド誘導体1種のF-18標識合成および、「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」も進めることで、2024年度までに実施予定であった当初の研究計画を満たす予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 次年度未使用額は324,459円であり、おおむね予定通りに支出していると思われる。2023年度に実施予定であった実験を2024年度以降の実施に計画を変更し、代わりに2024年度実施予定の実験を先行して2023年度に実施した影響と、消耗品の節約や値引きがあったため、残額が生じたものと思われる。 (使用計画) 翌年度以降に請求する研究費とあわせ、当初の計画通り物品費を中心として使用していく予定であるが、計画上、サイクロトロンを用いた実験等も含まれることから、出張旅費にも使用するとともに、論文としてまとめるために必要な経費などにも使用していくことを視野に入れる。
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Research Products
(8 results)