2023 Fiscal Year Research-status Report
MRIの臨床画像における客観性・定量性を兼ね備えた信号雑音比測定法に関する研究
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23K07142
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小島 慎也 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (70815670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 達也 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (60781549)
町田 治彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70439834)
篠原 廣行 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 名誉教授 (90138488)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 深層学習 / 雑音評価 / 信号雑音比測定 / 差分法 / ピクセルシフト法 |
Outline of Annual Research Achievements |
深層学習による雑音成分の抽出法を考案し、その性能を評価するためにファントムを用いた実験を行った。信号強度が均一なファントムを用い、様々な撮像条件(シングルチャンネルコイルやマルチチャンネルコイル、パラレルイメージング併用など)による画像を取得した。それらの画像を用いて考案した手法による雑音測定値と、高い測定精度を有する差分法による測定値を比較検証した。その結果、考案した手法は差分法とほぼ同等の測定値が得られた。よって、考案手法は信号強度が均一なファントム画像では高い雑音測定精度を有すると考えらえる。 また、信号雑音比測定において提案手法との比較対象となるピクセルシフト法のの精度などをファントムを用いて検証した。検証には信号が均一なファントムと細かな構造を有するキューイフルーツを対象とした。この検証でも信号雑音比測定のゴールデンスタンダードとして差分法を用い、それらの測定値を比較した。信号均一ファントムを用いた検証では、様々な撮像条件下において、ピクセルシフト法は差分法よりも過大評価の傾向がみられたが、高い相関関係が確認された。また、キューイフルーツによる検証では、撮像する際の画素数が少ないほどピクセルシフト法による測定値の誤差を大きくなることが確認された。 上記の実験・検証を踏まえ、今後は倫理委員会の承認を得たうえで臨床画像を用いた検証を行う予定である。加えて、ヒストグラム解析を用いた信号成分の抽出法の開発も順次進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究実施予定では、深層学習による雑音成分の抽出法を確立することを目的としていた。 2023年度内に深層学習を用いた雑音成分の抽出法を考案し、信号が均一なファントム画像を用いて、その性能や精度を評価することができた。 今後は臨床画像における考案手法の精度などを検証する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究実施計画における目標は客観性・定量性を備えた信号雑音比測定を構築することである。 この目的を達成するために、まずは臨床画像を用いて考案した深層学習による雑音成分の抽出法の精度を検証・改善し、その手法を確立させる。 その後は、研究実施計画に則り、2024年度の目標を達成するよう研究を進める。
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Causes of Carryover |
令和5年度、およそ14万円ほど次年度使用額が生じた。 当初の予定では人件費や謝金に15万円ほど予定していたが、令和5年度は人件費などの支払いは生じなかった。 令和6年度は昨今の円安を考慮し、海外の学会参加費や海外雑誌への投稿費用などの増額分に繰り越した助成金を使用する予定である。
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