2023 Fiscal Year Research-status Report
人工知能を用いた肺の超高精細CTの高分解能化に関する基礎的研究
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23K07153
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北原 均 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40402721)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | super resolution / deep learning / artificial intelligence / lung / phantom / ファントム実験 / ハニカム / 3Dプリント |
Outline of Annual Research Achievements |
人工知能により画像再構成を行ったvirtual U-HRCT(2048)では、肺のより微細な構造が描出される可能性が示唆されたが、実際にどれぐらいのサイズの構造が正確に描出されているのかが不明であるため、それを明らかにするのが本研究の目的である。伸展固定肺のソフテックス写真とvirtual U-HRCT(2048)を比較し、肉眼所見はほぼ同等であることを確認した。しかしソフテックス写真の実体顕微鏡像では、virtual U-HRCT(2048)では描出されていない微細構造があることが明らかとなった。またvirtual U-HRCT(2048)で見えているものは、より細かな構造の集合体であることが示唆された。つまりvirtual U-HRCTで見えている最小の構造体は、多数のより小さな構造体の寄せ集めが1ピクセルに収まって表示されている合成像で、必ずしも実在する解剖学的構造ではないことが明らかになり、これらを直接計測することの意義に疑問が生じた。そこで代替案として、肺の微細構造を模した各サイズのハニカムファントムをマイクロ3Dプリンターで作成し、それらを撮影することで、virtual U-HRCT(2048)の描出能を評価することとした。まずは材料となる樹脂のCT値計測を行い、できるだけ生体に近いものを選択した。次に、呼吸器の代表的な構成組織を考慮し、細気管支から肺胞にいたるまでの各構造を代表するハニカムのサイズを決定した。そして専門業者に作成を依頼した。ただし肺胞サイズのハニカムはマイクロ3Dプリント技術の限界で、精度がやや劣るものとなった。完成したハニカムファントムをU-HRCT装置で撮影し、人工知能を用いない状態でどの程度のサイズまでが描出可能か評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画の最初の段階の実行が困難であり計画をすこし変更したこと。 ハニカムファントム作成のための検討および造形に時間を要したこと。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の先行研究で用いた人工知能によるU-HRCTのsuper resolution法を用いてハニカムファントムのU-HRCTを高解像化し、描出能の向上を評価する。なお画像のFOVは先行研究では200㎜としていたが、今回は100㎜でもトライし、より詳細な画像が得られるかどうかの検討も行う。
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Causes of Carryover |
画質向上のための深層学習のため立命館大学に長年技術協力をしてもらっており、まずはその対価の技術協力料を支払う予定である。また画像評価やその他の作業用に、前年度に購入したノートパソコンに接続する高精細モニターを追加する予定である。その他、学会参加やそのための交通費、宿泊費、論文作成に付随する費用もここから支払う予定である。
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