2023 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞癌に対する新規DDSを用いたレンバチニブ肝動注療法の開発
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23K07164
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
茶之木 悠登 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (90812371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 利洋 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70326338)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | レンバチニブ / drug delivery system / イメージング質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
切除不能肝細胞癌に対する標準治療として、肝動脈化学塞栓術(TACE)が以前より広く行われきたが、近年、代替治療の一つとして、マルチキナーゼ阻害剤であるレンバチニブによる全身薬物療法が注目されている。レンバチニブは濃度依存性に抗腫瘍効果を発揮することが知られているが、一方で高容量の投与では有害事象により継続困難なことも少なくない。レンバチニブを経カテーテル的に動注すれば、有害事象の軽減と高い抗腫瘍効果が期待できると考えられる。これまでに、申請者らは、多孔質ガラス膜(SPG膜)乳化デバイスを用いて生成したエピルビシン水溶液(W)と油性造影剤(O)のW/OエマルションがTACEおよび動注療法(TAI)の効果的なdrug delivery system (DDS)として作用することを報告した。本研究では、レンバチニブ肝動注の有利性を検証した上で、レンバチニブのDDSを開発する。SPG膜を用いてレンバチブ粉末(S)をリピオドール(O)に含浸し、水(W)と乳化するS/O/Wエマルションを作成し、in vitroで性状を評価。さらに、ラット肝腫瘍モデルでTAI後のレンバチニブの組織内分布をイメージング質量分析(IMS)で評価し、DDSとしての有効性と抗腫瘍効果を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝細胞癌ラットモデルに対して、レンバチニブの経口投与およびレンバチニブ溶液の経動脈的投与の手技に関して、それぞれ確立して行え、各群検体の薬物濃度計測を実施した。 また、SPG膜を用いての2段階エマルションの作成に関しても手技が確立し、現在レンバチニブS/O/Wの肝細胞癌ラットモデルへの投与を実施継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
方法に大きな変更は加えずに進める予定である。 検体測定に際して、ラットの個体差を加味し、用いる個体数を増やしての検討が必要と考える。
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Causes of Carryover |
研究の進捗により検体作成が少なかったため。予定していた薬物組織濃度測定提出が遅延しているため。
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