2023 Fiscal Year Research-status Report
転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療の新たな試みBED-basedSRTにおけるLQCmodelの導入
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23K07208
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大屋 夏生 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70281095)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 定位放射線治療 / 転移性脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
転移性脳腫瘍に対して定位放射線治療を施行した症例を対象とする。多様なサイズや腫瘍占拠部位を示すすべての患者に対して、一律の腫瘍制御効果が期待できるような線量分割設定を確立することを目的としている。BEDを固定した線量分割をSRTに適用し、その治療成績を解析することを目的とする。2009年以降にBED-LQ=80 GyでSRTを施行した症例群と、それ未満のBED-LQでSRTを施行した症例群を合わせた約600症例の約1800病変において、腫瘍サイズ、腫瘍占拠部位などの患者側因子、線量分割などの治療関連因子、腫瘍制御、生存、および脳壊死の発現などの治療効果・有害事象を診療録、治療計画画像、治療後の画像評価を参照することで、データ収集・解析を行っている。特に脳壊死の評価は重要であり、治療時期の異なる症例群間でバイアスが発生しないように、評価方法の統一を重視して解析している。現時点では、大半の症例において基礎的データの収集が終了しており、5年局所制御が95%以上であることが判明している。また、本研究で対象とした600症例の生存期間中央値は約32ヶ月であり、2009年以前の300症例を対象とした同施設における過去の研究の18ヶ月と比べて、大幅に延長していることが示された。今回の研究において、BED-LQの異なる2群の間の比較は完了していないが、両群の約5年の時間差に由来する患者背景因子、BED以外の治療関連因子の解析も重要な課題と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集・解析の進捗が想定した範囲であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
LQC model(直線平方立方モデル)を導入したBED(生物学的実効線量)-based SRT(定位的放射線治療)の確立にむけて、さらにデータ収集・解析を進める。
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Causes of Carryover |
引き続きデータ収集及び解析を継続するため
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