2023 Fiscal Year Research-status Report
川崎病に合併する心筋炎後の心筋線維化の有無と治療介入の可能性を探る
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23K07224
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
星野 真介 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70747576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾松 万里子 滋賀医科大学, 医学部, 特別准教授 (80161397)
丸尾 良浩 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80314160)
藤田 聖実 滋賀医科大学, 医学部, 診療登録医 (90834250)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 川崎病モデルマウス / 冠動脈炎 / 線維化心筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
FK565を用いた川崎病モデルマウスは、産生されるサイトカインが川崎病と類似している。これまで本モデルマウスを用いた研究は炎症発生のメカニズムや急性期治療に関する研究が主であり、遠隔期評価を行った研究はない。本研究では、心筋炎を来した心筋の心筋線維化や炎症に関わるバイオマーカーや組織を経時的に観察し、抗炎症、心筋線維化予防効果が期待されているスタチンの効果を検証することである。令和5年度は研究計画書に従い以下の研究を行った。 1、川崎病モデルマウス作成の確立:川崎病モデルマウスは過去の報告に従い、6週齢のマウスを用い、day 1とday 4でFK565を皮下注射し、day7に心臓を取り出す。心筋炎の程度の評価として、まず組織学的評価を行った。機能評価は心臓超音波を用いて、day 0(投与前), day 7(屠殺直前)で心機能を評価した。 2、線維化心筋モデルマウス作成の確立:線維化心筋モデルの作成はいくつかの方法により作成を試みた。その中でFK565をday1とday5に投与し、day7よりisoproterenol(40 mg/kg/day)を浸透圧ポンプ(Alzet)を用い持続投与をおこなったモデルで最も心筋での線維化が見られた。 3、線維化心筋に発現するタンパクの検索:我々は、川崎病の急性期に重症心筋炎から心機能が低下した患者において、遠隔期に心筋線維化に関わるバイオマーカーであるGalectin-3 (Gal-3)やcarboxyterminal propeptide of procollagen type I (PIPC)が有意に上昇していること報告しており、 免疫染色を用いて線維化心筋におけるGal-3の発現を確認したところ、急性期の冠動脈周囲および線維化領域にGal-3陽性細胞を多数認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は日常業務において、予期せぬことが多々起こったため、研究に十分な時間を割くことができなかった。 2024年度は8月に国際学会において研究成果を発表予定であり、それにむけて時間を確保する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は機能評価として、心臓超音波を用いてday 0(投与前), day 7(屠殺直前)で心機能を評価し、経皮的心電図を用いた不整脈の評価も行う。またRNAシークエンスを用いて急性期の心筋の炎症に関わるRNAの探索を行う。 心筋炎後の慢性期の評価 作成した心筋線維化モデルを用いて投与後1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、1年の時点で 経時的に心筋の炎症や線維化を評価するとともに、2週間毎に採血して、それらに関わるバ イオマーカー(Gal-3, PIPC)をELISA法にて測定する。血球成分は、フローサイトメトリーを 用いて炎症細胞を解析するのに加え、RNAシークエンスおよびプロテオミクスを用いて、心 筋線維化に関わるRNAや新規タンパク質の探索を行う。それぞれのマウスの心機能評価は2週間ごとに心臓超音波で行う。
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Causes of Carryover |
実験に使用を予定している薬剤が通常より入手に時間を要したために予定が遅れたこと、日常業務において予定外ことが起こったため、予定通りに実験計画を進めることができなかったため
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