2023 Fiscal Year Research-status Report
TRPV4の多面的作用に着目した多発性嚢胞腎病態に基づく疾患特異的治療の開発
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23K07228
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中西 浩一 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50336880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島袋 渡 琉球大学, 病院, 専門指導医 (30890785)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / TRPV4 / 上皮間葉移行 / 分泌 / 増殖 / 細胞外基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease、PKD)は、わが国で最も頻度が高い遺伝性疾患であり、慢性腎不全の主要な原因の一つである。常染色体顕性 (ADPKD)と常染色体潜性(ARPKD)があり、臨床上の差違にもかかわらず共通の基本的病態生理が存在する。ARPKDは主に腎と肝に病変を認め、新生児期より重篤な症状を呈することが多く、小児医療において重要な位置を占める。ADPKDにおいても新生児から発症し、ARPKDとの鑑別が重要となる場合がある。 本研究の目的は、PKDの複数の基本的病態生理におけるtransient receptor potential vanilloid 4(TRPV4)の関与とその機序を解明し、それらを修飾することによる病態生理に基づいた疾患特異的治療開発のための基礎的知見の獲得、およびそのヒトへの応用のためのモデル動物を用いた治療研究による効果の確認である。 本研究の基本方針として、研究代表者がこれまでに継続的に取り組んできた本研究の根幹をなすPKDにおける細胞表現系の変化とSmad3リン酸化部位特異的変化について、継続性を重視し、より精度の高い研究を進める。また、既存の検体を最大限に有効利用できるように努めている。 本年度はPKD培養細胞系とARPKD動物モデル由来組織における、TRPV4発現と、これまでに蓄積されているARPKDモデルにおけるmiRNAデータとの関連を軸として、病態解析を進めている。 関連学会等の参加により引き続き本研究を推進するための情報収集を積極的に実施し、最先端の情報を本研究に反映させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PKDにおける細胞表現系の変化とSmad3リン酸化部位特異的変化について、継続性を重視し、より精度の高い研究を進めている。また、既存の検体を最大限に有効利用できるように努めている。 PKD培養細胞系とARPKD動物モデル由来組織における、transient receptor potential vanilloid 4(TRPV4)発現と、これまでに蓄積されているARPKDモデルにおけるmiRNAデータとの関連を軸として、病態解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
PKD培養細胞系とARPKD動物モデル由来組織における、組織トランスグルタミナーゼ発現と、これまでに蓄積されているARPKDモデルにおけるmiRNAデータとの関連を軸として、病態解析を進め、生体モデルを用いた介入研究のためのデータ獲得をめざす。 関連学会等の参加により引き続き本研究を推進するための情報収集を積極的に実施し、最先端の情報を本研究に反映させる。
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Causes of Carryover |
既存の検体を最大限に有効利用できるように努めているため、新たな試料・検体のための支出が少なかった。 また、これまでに継続的に取り組んできた本研究の根幹をなすPKDにおける細胞表現系の変化に関する実験では、既存の設備や資材の活用が可能であったため、予定より支出が少なかった。 今後は本研究の遂行がさらに加速すると考えられ、支出が増加する見込みであり、当該助成金が充当される。
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