2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the pathogenesis of non typeable H. influenzae causing invasive infections
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23K07238
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
後藤 憲志 久留米大学, 医学部, 講師 (90572313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋宮 清仁 久留米大学, 医学部, 助教 (00972720)
三宅 淳 久留米大学, 大学病院, 助教 (80896283)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | インフルエンザ菌 / バイオフィルム / quorum-sensing |
Outline of Annual Research Achievements |
NTHiが侵襲性感染症を引き起こす病態の解析としてバイオフィルムに注目して研究を進めている。令和5年度はAuto-inducerとしてトリプトファン合成機構に着目し、trpA,B,C,D,Eの欠損株を作成し、バイオフィルムの形態解析を行った。trpA、trpB欠損株ではbroth cultureでは菌は発育するが、drip flow assayではバイオフィルムの産生をほとんど認めず、trpC,D,E欠損株ではバイオフィルムの形成をplate assayでもdrip flow assayでも確認できた。trp C,D,E欠損株が産生するバイオフィルムの形状としては、表面が均一で約30um程度のバイオフィルムを形成していたが、内部の細菌は生菌よりも死菌が増加していた。また培地にトリプトファンを添加すると、バイオフィルム内の死菌が減少し、生菌の増加を認めていた。このことからやはりトリプトファンがNTHi産生バイオフィルムにおいてauto inducerとして働いている可能性があり、トリプトファン合成系がバイオフィルム内でどのように制御されているのかを明らかにすることが重要であると考えている。またHI1296がコードする分泌型ヌクレアーゼもバイオフィルム維持には重要であることが我々の先行研究でわかっているので、この2つの事象がどの様に関与しているのかを明らかにする必要がある。今後バイオフィルム形成の過程での発現遺伝子の解析を行うため12時間後、24時間後、48時間後、72時間後でバイオフィルム内部の細菌からmRNAを回収しquorum sensing機構の解明につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
trpA-Eの欠損株を作成する際に時間を費やした。またtrpA-Eのcomplement strainの作成準備も同時に行っており、今後はこれらの菌株を用い実験を行い、データの収集ができると考えられる。RNA sequenceに関しては質の良いサンプル回収は問題く行えていることを確認しているので、データの解析を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に作成した菌株を用いバイオフィルムの表現型の解析と、対象株の全塩基配列及びRNA sequence解析と2つの異なる手法での解析を進める。またバイオフィルム内での分泌型ヌクレアーゼの発現機構やauto-inducerとして働いている物質や遺伝子の同定のために成熟したバイフィルム内の菌株からRNAを回収しRNA sequenceを行う。大きく2つの方法で研究を行い、互いのデータ解析を進めることで新たな研究の方針を組み立てる事ができると考えている。
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Causes of Carryover |
trpA-Eの欠損株、complement strainsの作成に時間を要して、RNA sequenceを行うまでに時間を要した。次年度は前年度で解析できなかった分も含めてRNA seqenceを行い、場合によってはomics解析まで行う必要性もあると考えられるので、次年度で使用する予定である。
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