2023 Fiscal Year Research-status Report
Early detection and prevention of infant leukemia based on its leukemogenic pathway
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23K07270
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
江口 真理子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (40420781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (50420782)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 乳児白血病 / KMT2A融合遺伝子 / 前白血病幹細胞 / 白血病幹細胞 / 遺伝的背景 |
Outline of Annual Research Achievements |
KMT2A-AFF1陽性の乳児白血病細胞および白血病細胞株を対象として、免疫不全マウス(NOGマウス)への移植による白血病モデルの作製を行っている。KMT2A-AFF1融合遺伝子陽性の乳児急性リンパ性白血病(ALL)の双生児例について解析を行った。双生児の一人がALL と診断された時点で無症状であったもう一人の双生児も検査により芽球の増加が認められた。こ白血病細胞株の免疫不全マウスへの移植では概ね20~60日以内に白血病を発症するが、無症状であった双生児の白血病細胞を免疫不全マウスに移植したところ、マウスでのALLの発症には約5ヵ月を要した。一方で移植後2ヵ月以降に採取したマウスの血漿のPCRではKMT2A-AFF1融合遺伝子を検出可能であり、白血病細胞の生着後も白血病発症にさらに長期間を要したと考えられた。移植時の白血病細胞は前白血病細胞に相当し、移植後にマウスの体内で白血病細胞への進展が生じたと考えられた。移植前とマウス白血病発症後の白血病細胞からRNAを抽出し発現解析を行ったところ、白血病細胞では移植前の細胞と比較して少数の遺伝子の発現の上昇あるいは低下を認めており、白血病細胞への進展に関与していると考えられる。それらの遺伝子について詳細な解析を継続して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫不全マウスへの移植モデルにおいて、白血病化の過程において発現が変化し、マウス体内での白血病化へ関与すると考えられる遺伝子の機能について詳細に検討する。白血病細胞において遺伝子発現を抑制することにより細胞の増殖能等に影響を与えるかどうかを検討する。また白血病を発症したマウスの肝臓より白血病細胞を分離し、白血病細胞の肝臓へのホーミング・局在に関与する接着因子やサイトカイン受容体などの発現の変化を発現アレイ等で解析する。 また遺伝的背景の関与を検討するために患者細胞より樹立したiPS細胞を用いたモデルの解析を行う。iPS細胞をCD34陽性細胞へ分化させ、in vitro肝内造血モデルを用いて培養し、対照群(健常人より樹立されたiPS細胞)と比較することにより遺伝的背景の造血細胞分化や増殖能への影響を検討する。また遺伝的背景の詳細を明らかにするために、患者由来の細胞と対照群で遺伝子発現パターンの差異や遺伝子変異の獲得の有無について検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:昨年度にバイオメディカルフリーザーを購入する予定であったが、他の研究費で購入されたものを共用する事ができたことからフリーザーを購入する必要がなく、研究費の使用額が予定額より少なくなった。 使用計画:今年度も当初の研究計画通り、実験を継続する予定である。
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[Presentation] AMeD症候群の乳児例に対する遺伝カウンセリングと造血幹細胞移植2023
Author(s)
今井 剛, 富井 聡一, 加賀城 真理, 荒谷 総一, 山戸 聡史, 岡田 隆文, 岩本 麻友美, 宮本 真知子, 森谷 京子, 濱田 太立, 村松 秀城, 石前 峰斉, 江口 真理子
Organizer
第85回日本血液学会学術集会
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