2023 Fiscal Year Research-status Report
Early diagnosis of pediatric leukemia by neonatal screening with Guthrie blood spots
Project/Area Number |
23K07333
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (50420782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 真理子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (40420781)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 小児白血病 / KMT2A融合遺伝子 / ETV6融合遺伝子 / 新生児スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
小児白血病に高頻度に認められる融合遺伝子のゲノム上の融合配列の迅速・簡便な同定方法の確立を試みた。 融合遺伝子に含まれるそれぞれの遺伝子の切断点・融合点の全域をカバーする複数のPCRプライマーを作製し、DNAをテンプレートとして複数のプライマーを混合したPCRを行い症例特異的な融合遺伝子の切断点の配列の同定を行った。KMT2A-AFF1融合遺伝子の例では、ゲノム上の転座切断点は、KMT2A遺伝子がイントロン5からエクソン11までの約8.3kb、AFF1遺伝子がイントロン3から6(約48kb)に集中している。この領域に0.5~1.5kbの間隔で設定されたプライマーを混合してPCRを行った。ETV6-RUNX1融合遺伝子については、ゲノム上の転座切断点は、ETV6遺伝子がイントロン5の約15kb、RUNX1遺伝子がイントロン1から3までの約160kbに存在している。この領域に0.5~1.5kbの間隔で設定されたプライマーを混合してPCRを行った。 KMT2A-AFF1融合遺伝子やETV6-RUNX1融合遺伝子を有する白血病細胞株や白血病症例から得られたDNAを用いた解析ではそれぞれの白血病細胞特異的な融合配列を1-2回のPCRで増幅可能であり、そのPCR産物は概ね4kb以下であった。 ガスリー濾紙血の一部を切り取りDNAを抽出した。抽出したDNAを用いてGCK遺伝子のプライマーを用いてPCRを行い、増幅可能なPCR産物の大きさを確認したところ、概ね4kb程度までは増幅可能であった。今後ガスリー濾紙血より抽出したDNAでの融合配列増幅を試み、PCRの条件設定を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
通常のDNA で確立した方法をさらに改良し、ガスリー濾紙血を用いた白血病特異的な融合遺伝子の検出方法を確立する。ガスリー濾紙血を用いる場合、想定される白血病細胞の数は10万~100万細胞に1個のレベルであると考えられ、低コピー数の融合遺伝子を検出可能であることが必要であり、PCRで目的の遺伝子領域を有効に増幅できるように方法の改善・追加を試みる。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:初年度に購入予定であったサーマルサイクラーとフリーザーが他の研究費で購入・共用出来たことから研究費の使用額が予定額より少なくなった。
|