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2023 Fiscal Year Research-status Report

HBVゲノム挿入iPS細胞と肝癌組織検体を用いたHBV integrationによる発癌機序の解明

Research Project

Project/Area Number 23K07351
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

新田 沙由梨  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (20527056)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 朝比奈 靖浩  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座教授 (00422692)
柿沼 晴  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30372444)
岡本 隆一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50451935)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
KeywordsHBV integration / 肝癌
Outline of Annual Research Achievements

HBV関連肝癌では、肝炎や肝線維化による発癌機序とは独立した、HBVゲノムのホストゲノムへの挿入 (integration)による特徴的な発癌機序の存在が示唆されているが、その詳細は明らかでない。しかし、integrationは、HBV関連肝癌の”若年発症”、”肝線維化軽度からの発癌”、”予後不良”、という複数の悪条件に関与していることが示唆されている。本研究では、HBV integrationによる発癌機序を解明することを目的として研究を推進した。
我々は、ヒトiPS細胞のTERT領域にHBVゲノムを挿入したintegrationモデルiPS細胞を独自に樹立し、本細胞が挿入したHBV遺伝子の一部を発現すること、肝細胞系譜細胞へと分化誘導することでその発現が増強することを既に見出している。このintegrationモデルiPS細胞を肝幹前駆細胞(iPS-HPC)もしくは肝細胞用細胞(iPS-hep)に分化誘導した細胞を用い、HBVゲノム非挿入細胞を対照として以下の検討を行った。①遺伝子発現解析:定量PCRにて細胞周期関連遺伝子、細胞老化に関わる遺伝子、その他の発現を確認したが、いずれも対照に比し発現量に差は認めなかった。網羅的な遺伝子発現解析としてiPS-HPCを用いたRNA sequenceを行った。②増殖性の検討:iPC-HPCに分化誘導した細胞を用いてコロニーアッセイを行ったがコロニーの増殖に対照と明らかな差は認めなかった。
また、肝癌検体を用いたRNA sequenceの結果についてGSEA解析を行ったところ腫瘍部では細胞分裂や細胞増殖、細胞周期に関わる経路がenrichされていることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度の計画として予定していた検討のうち、肝細胞系譜細胞へ分化誘導したintegration細胞を用い網羅的なRNA sequence解析については、予定通り行うことができた。また、ヒトiPS細胞のTERT領域にHBVゲノムを挿入したHBV integrationモデルiPS細胞を肝細胞系譜細胞へ分化誘導した細胞の表現型の解析に関しては、コロニーアッセイによる増殖能を、遺伝子発現については細胞老化に関わる遺伝子を行った。しかしながら、これまでのところ有意な結果は得られておらず、他の表現型解析はできておらず、TERTやHBV関連発癌等に関連すると報告されている遺伝子等の解析は今後さらに検証する必要がある。また、肝癌検体のRNA sequenceについては結果の解析について着手することができた。
以上のように、予定していた計画について一部達成できておらず、研究計画はやや遅れていると考える。

Strategy for Future Research Activity

表現型の解析として、integrationモデルiPS-HPC細胞のコロニー形成能の評価については今回の検討では対照と比較して明らかな差を認めなかったが、まだ1回のみの健闘であり、新たに分取したHPCを用いて再度検証を行う。また、悪性腫瘍形質 細胞周期関連遺伝子や老化に関わる遺伝子の発現について対照と差を認めなかったとこから、その他の経路やTERT, HBV関連肝癌に関わる遺伝子等について差がないか、qPCRの他、iPS-HPCのRNAsequenceについて、DEG解析やpathway解析等を進める。有望な経路や遺伝子が抽出されれば得られた結果の検証を行う。具体的には、とくに差の大きかったDEGや経路について、あるいは肝癌に限らず悪性腫瘍にかかわることが既報から示唆されているもの、HBVやTERTに関連があると報告されているもの等に注目し、再現性や表現型との関連について解析を進める。また、肝癌組織RNAsequenceについても結果の解析を進めるとともに、この結果や、今回行ったiPS-HPCのRNAsequence解析の結果との比較検討も行う。
過去に行ったiPS-hepを用いたRNAsequence解析では、TERTとHBV両方の配列を含む融合転写産物が少量ではあるが検出されている。可能であれば肝癌組織検体のlong read RNA sequenceも行い融合転写産物の検出および配列情報を明らかにする。配列が明らかとなれば、発癌あるいは悪性形質獲得に関わる機能についてin vitroで検証する。

Causes of Carryover

理由:試薬等が計画当初より廉価で購入可能であったため
使用計画:検討する数、種類を拡大して解析を行うため、試薬増量して購入する予定である。

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Published: 2024-12-25  

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