2023 Fiscal Year Research-status Report
Pathological functions and prognostic application of adrenomedullin in inflammatory bowel disease.
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23K07385
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
芦塚 伸也 福岡大学, 医学部, 講師 (90468033)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | アドレノメデュリン / 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①臨床研究:IBD患者を対象とした臨床研究(1-1 炎症性腸疾患(IBD)患者におけるAMの病態生理機能の解明、1-2 IBDの治療効果・予後予測因子としての応用)、②基礎研究:腸炎動物モデル動物を用いた基礎的研究(AM療法による消化管粘膜修復における血流改善や線維化に関する検討)の二つのテーマで進めている.
【臨床研究】今年度はpreliminaryに、IBD患者における治療反応性因子の特定を目的として各種パラメーターを検討した.【方法】2020年11月から2023年3月までに当施設で潰瘍性大腸炎およびクローン病に対してインフリキシマブ(IFX)/アダリムマブ(ADA)療法中の患者を対象とした.バイオマーカー(WBC,ESR,CRP,Plt,Alb,LRG,FC)や活動性スコア(Partial Mayo score・UCEIS,CDAI・SES-CD),IFX/ADA血中濃度,血清・腸管組織中のサイトカイン(TNF-α,IL-6,TGF-β,IL-17,IFN-γ,OSM)を経時的に評価した.【結果】対象は33例で臨床寛解率は67%,粘膜治癒率は45%であった.54/56週時点の臨床寛解群・非臨床寛解群にわけて0週時の各種項目を比較したところ,IFX投与例(n=22)では寛解群でCDAI・PMSが低く,LRGが基準範囲内で,血中濃度も高い傾向にあった.ADA投与例(n=11)では寛解群でCDAI・SES-CD・PMSは低く,FCが基準範囲内であった.血清サイトカインを測定し得た6例で変動値を比較したが差は認めなかった.腸管組織中サイトカインを測定し得た3例では,0週には高値であったTNF-α,TGF-β,OSMが有意に減少していた.
【基礎研究】アドレノメデュリン測定系の構築準備を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者(芦塚伸也)の前研究施設である宮崎大学の測定機器を福岡大学に移譲する手続きを進めているが、管理上の問題により令和5年度の譲渡が叶わなかった.このため、本研究の基礎データとなる臨床研究は進められたが、基礎研究・アドレノメデュリンの測定は行えなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究については、診療との連携が確立し、順調に計画が進むと予想される.アドレノメデュリン測定を含む基礎研究については、宮崎大学からのアドレノメデュリン測定機器移譲がなされるまでの間、宮崎大学フロンティア科学北村研究室と連携をとり、アドレノメデュリン測定を依頼する.必要に応じて研究分担者を追加する.
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Causes of Carryover |
宮崎大学から福岡大学への測定機器移譲が遅れたため、基礎研究・アドレノメデュリン測定が行えず、次年度使用が生じた。令和6年度は臨床研究テーマにおけるアドレノメデュリンをはじめとするバイオマーカー測定を実施する予定であり、その費用に充当したいと考えている。
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