2023 Fiscal Year Research-status Report
Novel ion channel associated with gastrointestinal dysfunction induced by low grade mucosal inflammation
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23K07400
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
神谷 武 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10254301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (20326135)
植田 高史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (90244540)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 腸管慢性炎症モデル / 機能性消化管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
消化管機能障害を呈する腸管慢性炎症モデルとして、マウスを用いたDextran sulfate sodium (DSS)腸炎治癒期のモデルを作製し、その病態生理機構を検討した。その結果として、DSS投与1週間でマウスの体重は減少から増加にシフトし、2週間後には体重、飲水量ともにDSS投与前のレベルに戻った。炎症の指標である大腸の長さもDSS投与4日後に最も短くなり、その後1週間、2週間と徐々に回復した。組織所見では、DSS投与4日御に杯細胞の膨化と脱落、炎症細胞の浸潤がみられ、1週間後にはまだこの状態が持続した。CD45は激増し、一部筋層まで浸潤がみられた。2週間後には上皮は回復した。炎症細胞浸潤は減少に転じたものの、まだ持続していた。炎症性サイトカイン遺伝子については、DSS投与4日、1週間後ではIL-6, TNF-a, IFN-gの増加がみられ、2週間後の回復期にはIL-4, IL-5, IL-13の2型サイトカインとCalcaの増加を認めた。結果のまとめとしては、DSS腸炎は既報のとおりIL-6を中心とした炎症で、CD45陽性細胞が粘膜結合組織と筋層で増加していた。またDSS腸炎回復期には2型サイトカイン遺伝子の発現が起こっていた。DSS腸炎回復期の病態に2型サイトカイン遺伝子が関与するという点は新たな知見であり、子この結果は、腸管慢性炎症モデルとしてのDSS腸炎の基本的病態、今後消化管機能障害と関連性を検討していくうえで、重要かつ意義深い知見であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
消化管機能障害を呈する腸管慢性炎症モデルとして、マウスDSS腸炎治癒期のモデルの基本的病態を検討し、その病態に2型サイトカインが関与する可能性を示すことができた。初年度の計画としてはおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
消化管機能障害を呈する腸管慢性炎症モデルとしてのマウスDSS腸炎の回復期に、2型サイトカインが関与している可能性が示された。今後このモデルを用いて消化管機能との関連性、新規インチャネルのその病態への関与の可能性などをノックアウト(KO)マウスも用いて検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に行ったDSS腸炎モデルでの検討では、既存の物品、試薬の使用により行うことができた部分が多く、予定していたほど物品費、消耗品費の使用が予定していたより少なかった。次年度の計画ではKOマウスな新規物品の購入が必要で、こちらに使用したいと考えている。
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