2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K07410
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奈良坂 俊明 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00349490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 輝一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40376786)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | クローン病 / 小腸オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン病は小腸に非連続性の病変を形成する難治性疾患である。その原因は免疫亢進による慢性炎症であり免疫抑制薬が使用されるが、病変が残存し、潰瘍、狭窄等の病状が持続することが多い。クローン病の特徴として腸管全体に炎症を認めるにも関わらず病変部と非病変部が介在することであり、申請者らは同じ慢性炎症環境の小腸内に病変部と非病変部が存在するのは、炎症以外の原因で病変形成のされるのではという学術的問いを設定した。事実、クローン病患者の隣接する病変部と正常部の生検検体解析にて炎症関連遺伝子の発現差異を認めず、小腸上皮の発現遺伝子に差異を認めた。そこで小腸上皮細胞に病変部形成寄与因子が存在すると着想し、独自の小腸疾患モデルを構築することにより、病変部形成特異的因子の同定を目的とした。生検検体及びオルガノイドで共通する病変部特異的分子を同定し、遺伝子発現を動揺させることにより病変形成及び狭窄形成への影響を評価する。さらに臨床情報と結合し、遺伝子発現と狭窄形成、治療有効性との関連を明らかとする。本年度は同一患者小腸内の病変部と近接する正常部のオルガノイドを樹立し、その差異解析を行った。また、小腸オルガノイドに炎症刺激を行い、クローン病モデルの構築に着手している。大腸オルガノイドと同じ炎症刺激条件では、小腸オルガノイド培養が維持できないことが判明した。炎症刺激濃度を調整して、小腸オルガノイドが維持できる長期炎症刺激モデルを構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に抽出した候補遺伝子から生検検体とオルガノイド解析で共通する遺伝子を病変部発現変動遺伝子とする。生検検体の免疫組織染色にて小腸粘膜の上皮細胞に局在し、病変部と隣接する正常粘膜で発現が異なること、オルガノイドの細胞免疫染色にて蛋白発現が異なることを条件として候補遺伝子を選定する。さらに、臨床検体における病変部発現遺伝子の発現強度と臨床情報の関連を解析する。遺伝子発現と狭窄発生頻度、狭窄拡張術の回数、狭窄解除手術回数などが関連する遺伝子を候補遺伝子群から抽出する予定である。
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Causes of Carryover |
小腸オルガノイドの炎症刺激条件を決定するために、炎症刺激を行ったところ小腸オルガノイドの培養が維持できないことから当初の見込みよりも培養費用が少なくなった。炎症刺激濃度を低くしたことからも炎症刺激物質の購入量が当初の見込みよりも少なかったため。次年度はクローン病病態に関与する候補因子の機能解析を行う計画である。
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Research Products
(1 results)