2023 Fiscal Year Research-status Report
The effects of small intestinal dysbiosis on hepatic steatosis and fibrosis
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23K07419
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井戸 章雄 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30291545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 修司 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (60448561)
小田 耕平 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (80795336)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ディスバイオーシス / 脂肪肝 / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,2023年12月までに当院への受診歴があり,腹部超音波検査とFibroscanによる肝硬度測定評価を行った炎症性腸疾患(IBD)患者の臨床背景と脂肪肝との関連を調査することとした。対象患者は45例で,これらの症例には人工肛門増設後の4例も含まれていた。IBD患者(潰瘍性大腸炎25例,クローン病20例)のうち,25例(56%)に脂肪肝を認めた。脂肪肝群は非脂肪肝群と比較し,有意に男性が多く,糖尿病や脂質異常症の合併が多かった.また,脂肪肝群で臨床的活動性が高値であったが,CRPやアルブミン値,生物学的製剤やステロイドの使用歴に差はなかった。肝硬度とPartial Mayo scoreは正の相関を認めた。IBD患者では脂肪肝の有病率が高く,ASTやALT値はほぼ基準値内であるにもかかわらず中等度以上の肝脂肪化および線維化進展する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の回腸人工肛門増設術の施行数が2例で,そのうち1例は術前に大腸内視鏡検査の実施が不可能であったため,検体確保が不可能であった。そのため,当院への通院歴のある回腸人工肛門造設状態の患者も対象とする予定としているが,内視鏡検査による腸液や粘膜採取が滞っている。動物実験は,ラット作成人工肛門増設の手技獲得が困難なため,実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度はIBD患者における脂肪肝の状況を把握することができたため,今後は通院歴のあるIBD患者のリクルートを積極的に行い,小腸腸液と粘膜や腸管内容物を採取の採取し,メタゲノム解析,血中代謝産物プロファイリングを実施する予定とする。新規人工肛門増設術後の患者に限らず,すでに人工肛門を増設された患者に対し臨床的背景の取得,血液サンプルの保存や肝硬度測定なども実施し解析をすすめてしていくこととする。 動物実験に関しては,ラットの使用経験豊富な基礎系研究室との連携を深め,実験手法の獲得を目指す。
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