2023 Fiscal Year Research-status Report
AFP陽性細胞をターゲットとした新規NASH治療戦略の構築
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23K07456
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川村 聡 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (90930868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 勇人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00555609)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肝再生 / AFP |
Outline of Annual Research Achievements |
まずは肝障害時のAFP陽性細胞の特徴を解析するために、慢性肝障害マウスモデルであるMUPマウスの肝細胞シングルセルRNA-seqを行ったところ、AFP陽性細胞は特徴的なクラスター(集団)に分類されることがわかった。このクラスターに関連するパスウェイ解析を行ったところ、いくつか発現が大きく変化しているシグナルを同定でき、肝細胞のAFP陽性化に関与している可能性のある候補となるシグナルをみつけることができた。その上で、候補となるパスウェイが肝細胞内で活性化されるとしたら、どのようなレセプターを介してシグナルを伝えているのかについてもこのパスウェイ解析を通していくつか候補となるレセプターを絞ることができた。 さらに、空間遺伝子発現解析によってその周囲には特殊な微小環境が存在することも明らかになった。すなわち、肝障害時にはAFP陽性細胞となる肝細胞の周囲にある特定の細胞が肝細胞にはたらきかけAFPを陽性化しているものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝障害時にどのようなシグナルが肝細胞をAFP陽性化させるのかについて、候補となるシグナルをいくつか同定できることができたため。 また、AFP陽性細胞の特徴をシングルセルseq解析を用いて、より深く解析でき、AFP陽性細胞の特徴のみならず、空間遺伝子発現解析によって、AFP陽性細胞の周囲の微小環境、周囲細胞とのインタラクションまで解析を広げることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記解析で、AFP陽性細胞の発現に関わる可能性のあるシグナルについて、初代肝細胞に阻害薬を添付したり、またマウス肝細胞において候補遺伝子をノックアウトすることにより、本当にAFP発現に関わっているシグナルを同定する。 その上で、AFP陽性細胞がどのように肝障害時に肝再生に寄与しているのか、肝細胞内のシグナル分析と、肝細胞周囲の環境とのインタラクションを統合的に解析する。
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Causes of Carryover |
(理由)2023年度は予定よりも初代肝細胞を用いた解析が多く、マウスを用いた実験が想定していたよりも少なかったため。 (使用計画)2024年度は、主にマウスを使用して、AFP陽性細胞の特徴を明らかにする研究を進めていく予定である。しかし、最終的には、肝障害・肝細胞癌のヒト検体を用いて我々の仮説を検証していく予定である。その為に次年度にはおそらくヒト検体の解析をすることが必要になる可能性が高く、そのためにある程度次年度も使用することを予定している。
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