2023 Fiscal Year Research-status Report
カルモジュリンキナーゼを標的とした炎症抑制・線維化抑制による新規心不全治療の探索
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23K07477
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
末冨 建 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40749842)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | カルモジュリン依存キナーゼ / インフラマソーム / 線維化 / マクロファージ / HFpEF |
Outline of Annual Research Achievements |
単離マクロファージを無血清培地洗浄し、種々の試薬を含む同培地で1時間刺激した。細胞刺激により、炎症シグナル(MCP-1, MIP1α, IL-6, Cxcl1)および, 線維化シグナル(col1a1, Periostin)のmRNAおよびMIP-1α、IL-1β、Caspase-1活性が有意に増加し、これらの反応はKN-93によって抑制されていた。マクロファージ特異的CaMKIIdelta-KOマウス(mKOマウス)から同様に単離したマクロファージは細胞刺激に対する炎症・線維化シグナルの応答が野生型と比較し有意に低下していた。 NOS阻害薬および高脂肪食負荷の2-hit theoryを用いてマウスHFpEFモデルを作成し、5週、10週、15週後の心筋組織におけるCaMKII 活性、Caspase-1、炎症・線維化シグナルの経時変化を確認した。Caspase-1および炎症系シグナルは5週時点、線維化シグナルは10週時点で最大となり、その後も高値となっていたが、mKOマウスでは有意な炎症・線維化シグナルの低下とピーク時期の延長を認めた。引き続いて生じるCD68陽性細胞の心筋内集積については、野生型と比べてmKOマウスでは少ない傾向があったものの有意差はみられなかった。しかしながらmKOマウスにおいては線維化マーカ(col1a1, periostin)発現量および心筋線維化の程度が野生型と比較して顕著に抑制されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初マクロファージ特異的CaMKIIdelta-KOマウス(mKOマウス)の個体数確保が律速段階となっていたが、23年度後半より順調にデータ収集ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
mKOマウスにおける慢性期の心筋線維化および心機能(心駆出率・拡張能)を検証する。また細胞実験においては、マクロファージの集積と心筋線維化に乖離が生じた点に着目して評価を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品試薬の予定額と実際の支払い額の差異により本年度5万円余りの次年度使用額が生じた。次年度における消耗品に充てる予定である。
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