2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性炎症に着目したがんサバイバー特有の心血管疾患発症機序の解明
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23K07485
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
樽谷 玲 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60612942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 一貴 和歌山県立医科大学, 医学部, 工学技士長 (70974971)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | がんサバイバー / 慢性炎症 / チロシンキナーゼ阻害薬 / 血管内皮障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
『がんサバイバー』と呼ばれるがんが寛解し長期生存しているがん患者が近年増加している。がんサバイバーは非がん症例と比べ心血管疾患発症リスクは高く、がん治療から10年以上経過するとがんサバイバーの死因はがん自体より心血管疾患による方が多いと報告されており、がんサバイバーへの心血管疾患対策は喫緊の課題である。がんサバイバーの心血管疾患易罹患性の機序として、がん由来の慢性炎症やがん治療による血管内皮障害の関与が示唆されているが、その解明は十分とは言いがたい。そのため、がんサバイバーに対する特別な心血管疾患予防法はなく、一般的な予防法しか行われていない。この状況の打開にはがんサバイバーにおける心血管疾患易罹患性の機序を解明し、新規予防法確立が必要である。本研究の目的はがんに関連した特有の心血管疾患発症機構を明らかにすることであり、その結果をがんサバイバーに対する心血管疾患予防法開発への礎とする。 2023年度は、がん細胞株をそれぞれ移植された8週齢オスの野生型マウスを作成した。その上で、腫瘍径が10mmまで拡大したことを確認し、各種解析を試みたが、腫瘍拡大速度が一定せず、当初担癌マウス作成に難渋した。現在は作成過程も安定してきている。そのがんによる炎症による心血管への影響について各種解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は、担癌マウスを作成に難渋したため、当初の計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、担癌マウスを作成に難渋したため、当初の計画よりも遅れているが、近日は安定してきたため、予定の実験を順次進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
実験が遅れているため、本年度購入予定の物品を次年度に購入する方針となったため。
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