2023 Fiscal Year Research-status Report
大規模疫学データベースを用いた加熱式タバコの心血管疾患発症リスクの解明
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23K07492
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松村 光一郎 近畿大学, 医学部, 講師 (00728868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田淵 貴大 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター疫学統計部 特別研究員 (20611809)
今野 弘規 近畿大学, 医学部, 教授 (90450923)
中澤 学 近畿大学, 医学部, 教授 (30564702)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 加熱式タバコ / 心血管疾患 / 長期予後 / 疫学データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
加熱式タバコの心血管疾患への影響を調査するために、DeSC株式会社が提供している社会保険組合に加入している会社員とその家族についての疫学データを使用して、横断的な解析を行った。疫学データは86万人からなるビッグデータである。このうち2021年度にDeSC株式会社が行ったアンケート調査に基づき、加熱式タバコ使用者約3000人と非喫煙者約20000人が抽出された。両群の患者背景、健康行動に対する考え方を比較したところ、加熱式タバコ使用者は非使用者と比較して年齢が若く、単身者が多かった。BMIの平均値が非喫煙者と比較して有意に高かった。動脈硬化の危険因子としては、高血圧症の割合が有意に高かった。血液検査データにおいて、脂質プロファイルや肝機能、腎機能は両群で有意差を認めなかった。食事や運動といった生活習慣を改善してみようと思う割合について、加熱式タバコ使用者は非喫煙者と比較して、してみようと思う割合が有意に低かった。さらに定期的な運動、身体活動や就寝前2時間以内の食事摂取といった健康行動に対する意識においても、加熱式タバコ使用者は非喫煙者と比較して、意識の低さが認められた。健康行動はタバコの使用にも大きな影響を与える因子と思われ、さらなる解析が必要である。今後CIRCSデータベース、JASTISデータベースを含めてさらなる横断的検討を行う予定としている。DeSCデータベースについては、本研究結果に基づき、長期的な心血管イベント発症との関連性を調査していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、データベースから加熱式タバコ使用者、紙巻きタバコ使用者、非喫煙者を抽出し、その患者背景を比較することを目的としており、予定通りデータの抽出および解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースに基づき抽出された患者群の長期予後を追跡していく。
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Causes of Carryover |
英文校正および論文掲載費について、論文の掲載が確定していないため次年度使用額が生じた。今後結果の公表に伴い使用予定である。
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