2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of mechanosensitive channels in the pathogenesis of cardiomyopathy and heart failure and development of novel therapeutic strategies
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23K07495
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岩田 裕子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (80171908)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、収縮能が保たれた心不全(HFpEF)が注目されており、従来の心収縮能低下の心不全(HFrEF)を改善する治療法ではHFpEFの治療効果は乏しく新たな治療法の開発が急がれている。心不全発症・進展に共通する特徴であるメカノストレス負荷と拡張期細胞内Ca2+濃度上昇に着目し、有力な候補蛋白質、メカノセンサーチャネルの心筋における生理的、病態的意義を明確にし、心筋症・心不全の有力な治療標的になることを確定するのが目標である。今年度はラットHFpEFモデルの拡張機能異常においても細胞骨格系異常の拡張型心筋症に代表されるHFrEFモデルと同様のメカノセンサーチャネルを介するCa2+流入が重要な働きをしているか否かを調べるため、肥大及び拡張異常の病態の進行に伴うメカノセンサーチャネルの含量変化、局在変化を調べた。病態の進行にともないメカノセンサーチャネル含量はあまり変化が認められなかったが、心筋形質膜へのチャネルの移行が観察された。ラットHFpEFモデルから心筋細胞を単離し、収縮弛緩速度、細胞内Ca2+濃度変化を調べたところ短径/長径がコントロールラット心筋細胞に比し増加しており、弛緩速度異常と相関が認められた。またHFpEFモデル心筋細胞における短径の増加とメカノセンサーチャネルの細胞膜局在は関連していた。単離心筋での弛緩異常は発症初期のモデルにおいても進行期と同様に観察された。今後アゴニストによる細胞内Ca2+濃度変化の違い、チャネル阻害剤の効果を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HFpEFモデルでもメカノセンサーチャネルが重要な働きをしている可能性を示唆するデータがとれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
HFpEF動物モデルだけでなくヒト肥大型心筋症、拡張型心筋症、筋ジストロフィー合併心筋症におけるメカノセンサーチャネルの局在を知ることはヒトHFpEF病態を理解する上で重要であるのでバイオバンク試料を用いたチャネルの局在変化の同定を行う。
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Causes of Carryover |
実験で必要な抗体、プライマーが他の財源で購入できた。次年度はこの次年度使用額をモデル動物購入及び飼育費にあてる予定。
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