2023 Fiscal Year Research-status Report
Heart regeneration by second heart field progenitor cell transplantation
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23K07508
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
斎藤 幸弘 岡山大学, 大学病院, 助教 (20724454)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 移植細胞の追跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒトiPS細胞由来二次心臓領域前駆細胞が、一次心臓領域前駆細胞に比べて経静脈移植による心筋組織再生能が優れているかを検証することである。 心臓前駆細胞の損傷部位への集積を客観的に定量評価するために、本年度は移植細胞をin vivoイメージングで検出するシステムの構築を行った。具体的には、①ナトリウム・ヨード共輸送体(NIS)をヒトiPS細胞に導入し、NIS発現心臓前駆細胞およびNIS発現心筋細胞を分化誘導し、②Cryoinjuryによる心不全モデルラットの作製を行い、③心不全モデルラットにNIS発現心筋細胞を移植し、99mTcO4- SPECT/CTで移植細胞を経時的に検出した。また、この結果を論文で報告することができた(Saito Y, et al. Front Cardiovasc Med. 2023)。 また、NIS非導入ヒトiPS細胞と同様に、NIS発現ヒトiPS細胞から一次心臓領域前駆細胞および二次心臓領域前駆細胞を別々に誘導することができた。細胞移植に用いるためには、分化早期の細胞であることから未分化細胞の残存が問題となる。そこで未分化細胞に発現する糖鎖に特異的に結合するrBC2LCNを修飾した毒素PE23(Tateno et al. Stem Cell Reports. 2015)を分化誘導3日目に添加し、未分化細胞の除去を試みたが、中胚葉細胞も死滅してしまった。次に、Al-Akashiらが報告したBrequinar(Al-Akashi et al. Front Cell Dev Biol. 2023)を用いて未分化細胞を除去できることを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移植細胞をin vivoイメージングで検出するシステムを構築し、結果を論文で報告することができた(Saito Y, et al. Front Cardiovasc Med. 2023)。ただし、免疫不全ラットにcryoinjuryを加えた際に、術中死がかなり多いことが今後の研究を進めるにあたっての問題点である。さらに、NIS発現iPS細胞から、左室型心筋細胞に分化する一次心臓領域および右室型心筋細胞に分化する二次心臓領域前駆細胞を誘導できることを確認した。NIS発現iPS細胞由来二次心臓領域前駆細胞は、一時心臓領域前駆細胞と比較してCXCR4の発現レベルが高いものの、NIS非導入iPS細胞由来二次心臓領域と比べてCXCR4の発現レベルが低いことが現在の問題点である。
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Strategy for Future Research Activity |
NIS発現iPS細胞株は他に3株あるため、他の株でも二次心臓領域前駆細胞のCXCR4発現レベルについて検討を行う。また、NIS非導入iPS細胞由来二次心臓領域前駆細胞を抗CXCR4抗体でソートし、放射性トレーサ89-Gdで標識しPET/CTで検出することも検討したいと考えている。また、cryoinjuryを加えた心臓のCXCL12レベルの経時的変化を確認し、細胞投与時期を決定してから細胞の投与を行う。 免疫不全ラットに対するcryoinjuryに関して、アルミ棒のサイズ変更、冷却アルミ棒と心臓との接触時間の調整などで、手技の成功率を上げる努力をする。
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