2023 Fiscal Year Research-status Report
心房細動による左右非対称な心房リモデリングに関わるBMP10とPITX2の役割の解明
Project/Area Number |
23K07517
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
原田 将英 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (70514800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常陸 圭介 藤田医科大学, 医科学研究センター, 講師 (10508469)
土田 邦博 藤田医科大学, 医科学研究センター, 教授 (30281091)
辻 幸臣 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (60432217)
高木 靖 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80324432)
井澤 英夫 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80402569)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心房細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究に十分な患者数と検体数を確保できるよう心臓血管外科で開心術が予定された心房細動患者を本研究に登録した。分子生物学的な研究結果をバイオマーカーによる臨床評価へ応用するために、心房組織の検体採取にあたっては、同一患者から血漿、血清も保存した。研究代表者は、予備実験で心房細動患者から左右同時に心耳組織を採取し遺伝子網羅的解析(次世代シーケンサー)や免疫染色を行っており、転写因子であるpaired like homeodomain 2(PITX2)の発現が右心耳に比べて左心耳で有意に増加し、一方でペプチド性増殖因子であるbone morphogenetic protein-10(BMP10)の発現が左心耳に比べて右心耳で増加している所見を得ている。本結果を基に、別の心房細動患者から左右の心耳組織を採取し、PITX2とBMP10を標的として定量PCR法とウエスタンブロッティング法で発現差を評価し予備実験の再現性を確認した。2023年度にはヒト心筋細胞の細胞株を入手し培養実験系を確立した上で、増殖因子であるBMP10の添加の有無によってPITX2の発現が変化するか否かを確認した。BMP10の発現が高い右心耳の組織培養をおこない、実際に右心耳からBMP10が分泌されるか否かを確認する予定であるが、組織培養とELISAを用いた実験系を確立し、ヒトの血清を用いて実験条件を確認した。2024年度にBMP10を含め心房・心耳の新たな分泌機能を有する細胞種を探索するため単一細胞(単一核)遺伝子解析を行う予定であり、本解析に適した保存条件で別途組織の採取を行った。また、PITX2の活性が心房細動の誘発性や心房リモデリングに関与するか否かを確認するためにPITX2遺伝子改変マウスの作成の準備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は例年に比べて対象となる疾患の心臓外科手術数がやや少なかった。このため、今後予定していた全ての実験解析を行うのに十分な検体の数が足りていない状況である。また、単一細胞(単一核)遺伝子解析や遺伝子改変マウスの作成の準備に時間を要しており当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度においても対象となる患者を登録し、予定していた全ての実験と網羅的解析を基にした新たな仮説の検証実験を十分に行えるだけの検体数を採取する予定である。昨年度はヒト心筋細胞を用いた培養実験をおこなったが、2024年度には同様の実験をヒト心筋線維芽細胞で行う予定である。また、2024年度には次世代シーケンサーの結果を基にパスウェイ解析を行い、PITX2の活性化と関連するBMP10の下流シグナルを推定し、ウエスタンブロッティングや免疫染色で確認する予定である。昨年度に準備した心耳組織を用いた組織培養とELISAを用いたBMP10の発現の評価を2024年度に行う。また、単一細胞(単一核)遺伝子解析を行い左右の心房における未知の分泌系細胞種を探索する。昨年度から引き続きPITX2の遺伝子改変マウス作成に向けて準備を進める。さらに、2024年度には心房組織を採取した同一患者から血清や血漿におけるBMP10の発現も評価し、バイオマーカーとしての有効性も評価する予定である。
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Causes of Carryover |
未使用額が生じたものの少額であり、概ね計画通り使用している。
使用計画: 単一細胞(単一核)遺伝子解析や実験試薬などの消耗品の購入に使用する予定である。
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[Journal Article] Circulating miR-20b-5p and miR-330-3p are novel biomarkers for progression of atrial fibrillation: Intracardiac/extracardiac plasma sample analysis by small RNA sequencing2023
Author(s)
Harada Masahide, Okuzaki Daisuke, Yamauchi Akemi, Ishikawa Shiho, Nomura Yoshihiro, Nishimura Asuka, Motoike Yuji, Koshikawa Masayuki, Hitachi Keisuke, Tsuchida Kunihiro, Amano Kentaro, Maekawa Atsuo, Takagi Yasushi, Watanabe Eiichi, Ozaki Yukio, Izawa Hideo
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 18
Pages: e0283942
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Prognostic significance of the Holter‐derived T‐wave variability in patients with ventricular tachyarrhythmias complicating acute coronary syndrome?<scp>TWIST</scp> study2023
Author(s)
Makino Taro, Ichikawa Tomohide, Amino Mari, Nakamura Mari, Koshikawa Masayuki, Motoike Yuji, Nomura Yoshihiro, Harada Masahide, Sobue Yoshihiro, Watanabe Eiichi, Kiyono Ken, Yoshioka Koichiro, Ikari Yuji, Ozaki Yukio, Izawa Hideo
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Journal Title
Annals of Noninvasive Electrocardiology
Volume: 28
Pages: e13069
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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