2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病による血管石灰化における単球/マクロファージの役割の解明
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23K07531
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
香月 俊輔 九州大学, 大学病院, 助教 (60641016)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 単球 / マクロファージ / 慢性腎臓病 / 血管石灰化 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの報告では慢性腎臓病患者の末梢血でclassical monocyteの割合が減少し、non-classical monocyteの割合が増加していることが報告されている (Nockher, Infect Immun 1998)。TGF-βは平滑筋細胞の骨芽細胞様細胞分化を促進することで、石灰化を進展させるが、透析患者ではnon-classical monocyte/M2マクロファージから産生される血清TGF-β濃度が高値であることが報告されており(Avci, Bratisl Lek Listy 2017)、これらの報告から中膜石灰化ではM2マクロファージの関与が示唆される。 初年度は、慢性腎臓病の血管石灰化におけるM1/M2 polarityを評価するため、wild-typeマウスを用いて5/6腎臓摘出術を施行したCKDモデル群とSham群においてM1/M2 polarityを比較した。フローサイトメトリーにより循環血液中のclassical monocyteおよびnon-classical monocyteの割合を評価したところ、CKD群ではsham群と比して、non-classical monocyte側にpolarity shiftしていた。またCKD群ではnon-classical monocyteへのpolarity shiftを反映して、血中TGF-β1の増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、CKDモデルマウスにおける単球/マクロファージのM1/M2 polarityの評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
Ccr2-/-マウスではclassical monocyte/M1マクロファージが消失し、Apoe-/-Ccr2-/-マウスのCKDモデルでは血管石灰化におけるnon-classical monocyte/M2マクロファージの影響を評価することが可能と推定される。申請者はApoe-/-マウス、Apoe-/-Ccr2-/-のCKDモデルマウスに高脂肪、高カルシウム・リン食を負荷し、石灰化の評価を行う。
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Causes of Carryover |
初年度はin vitroの実験系が多く、未使用額は次年度Apoe-/-マウス、Apoe-/-Ccr2-/-のCKDモデルマウスを用いた動脈硬化病変の評価を行うため、動物購入費、病理学的解析に充てる予定である。
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