2023 Fiscal Year Research-status Report
心房細動症例における心房生検検体の超微細構造の評価
Project/Area Number |
23K07532
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
高橋 佑弥 佐賀大学, 医学部, 寄附講座助教 (70971894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 尊則 佐賀大学, 医学部, 准教授 (70834810)
中島 夏奈 佐賀大学, 医学部, 特任助教 (90974478)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心房細動 / 心房心筋症 / 心筋病理 / 超微細構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで心房の構造的リモデリングと関連する組織学的因子は線維化のみと考えられてきたが、心房細動患者242例に対する心房筋生検による心房組織学的解析を行った結果、線維化のみならず細胞間質の増大、心筋実質の変性、心筋核密度の低下(心筋細胞数の低下)、アミロイド蛋白沈着が関連する組織学的因子であることを明らかにした。これらの組織因子のうち線維化と細胞間質の拡大に関して、電子顕微鏡による超微細構造の評価を行ったところ、心房筋の細胞間質には幼若・重合化したコラーゲン、コラーゲンを生成する線維芽細胞、透過性が亢進した毛細血管、毛細血管より漏出した血漿成分などが含まれていることが明らかとなった。すなわち間質浮腫を背景とした細胞間質の拡大が起こり、拡大した細胞間質においてコラーゲンが重合化した結果、線維化が顕在化していくプロセスが示唆された。また心筋実質の変性に関しては、超微細構造の評価の結果、光学顕微鏡上での心筋粗鬆化の進行は筋原線維の減少を反映することが明らかとなった(Eur Heart J. 2023;44:3339-3353)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度では心房細動患者40例の心房筋の採取と超微細構造の評価のためのグリッド作成を計画していたが、予定より早いペースで心房筋生検が進行し、心房細動患者115例とコントロールとして非心房細動患者16例の心房筋の採取とグリッドの作成が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
作成された心房細動患者115例と非心房細動患者16例のグリッドを透過型電子顕微鏡で観察し、心房細動に特徴的な心房筋の超微細構造の特徴について評価する。また心房細動アブレーション後の患者の予後(心房細動再発、心不全新規発症・増悪、脳梗塞発症、死亡)と関連する心房筋の超微細構造について評価する。
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Causes of Carryover |
心房筋の超微細構造観察のためのグリッド作成を外注で依頼していたが、一件あたり依頼するのに足りない金額が残った。 今後は超微細構造と関連する組織所見の探索のために免疫組織学的染色、免疫蛍光染色を計画しており、その試薬購入代に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Histological validation of atrial structural remodelling in patients with atrial fibrillation2023
Author(s)
Yuya Takahashi, Takanori Yamaguchi, Toyokazu Otsubo, Kana Nakashima, Kodai Shinzato, Ryosuke Osako, Shigeki Shichida, Yuki Kawano, Akira Fukui, Atsushi Kawaguchi, Shinichi Aishima, Tsunenori Saito, Naohiko Takahashi, Koichi Node
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Journal Title
European Heart Journal
Volume: 44
Pages: 3339, 3353
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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