2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K07542
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
閔 庚徳 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00909004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂山 勇 兵庫医科大学, 医学部, 病院助手 (40974770)
朝倉 正紀 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80443505)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / クローン性造血 |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン性造血は、特定の体細胞変異が血液幹細胞に生じた結果、そこから分化した変異白血球が末梢血中で割合を増す病態であり、種々の加齢性循環器疾患との関連が指摘されている。大動脈瘤の拡大には壁における局所の炎症が関与していると考えられているが、クローン性造血が関与しているかはわかっていない。本研究では大動脈瘤の進展におけるクローン性造血の役割を解明することを目的とする。これにより、加齢性に頻度が増し経時的な拡大と破裂が問題になる大動脈瘤の病理学的原因を明らかにし、新たな予防法や治療法の開発に繋げていく。大動脈瘤のなかでも、腎動脈下腹部大動脈における瘤の形成には炎症性の病理学的変化が一定程度関与していることが言われており、また動脈硬化性の病因も関与しているとの報告が多い。さらにクローン性造血は加齢性の生物学的変化と考えられていることから、60歳以上の腎動脈下腹部大動脈瘤の患者を組み入れるよう研究をデザインした。腹部大動脈瘤の重症度評価として、ゴールデンスタンダードである腹部CTでの臨床経過をフォローしつつ、当該患者の白血球サンプルを採取することにより、クローン性造血の有無、責任変異遺伝子、クローンサイズを解析することで、動脈瘤の拡大とクローン性造血の関与を明らかにすると同時に、動脈硬化性変化や炎症の程度などを併せて多角的に解析することで、クローン性造血と腹部大動脈瘤との関連を疫学的に示すことを目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、検査体制の構築、患者リクルート体制の構築に想定以上の時間を要した。またクローン性造血の評価を修飾しうる担癌状態、ステロイド治療状態、免疫抑制薬使用状態などの患者を除外し、また解離性大動脈瘤など異なる病因を有する患者を除外した結果、患者数が想定よりも少ないことが判明し、試験デザインの変更も含めて検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き患者のリクルートと検査データ、白血球サンプルの収集に努める。さらに少数症例においても有意義な解析結果が得られないか、研究デザインについても検討を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は研究デザインの整備と患者リクルートに集中した。費用を要する解析などはまとめて次年度に効率的に行う方針とし、腹部CTの撮影や検査データの収集は臨床上のデータであるので支出を要さなかった。
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