2023 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化モデルマウスにおける超早期血管炎症場の3D可視化と発症予防法の開発
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23K07562
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 香 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90631929)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 血管 / 炎症 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、動脈硬化の発症前に起こることが知られている超早期血管炎症をApoE欠損動脈硬化モデルマウスの各臓器において発見してその活性化に関わるシグナルを同定し、これによって得られた知見から超早期血管炎症のステージを介入点とした動脈硬化の発症予防法を見出すことである。今年度は小規模かつ散発的に生じると考えられる早期血管炎症場をマウスの臓器の中から発見するため、臓器丸ごとを3次元的に蛍光イメージングすることが可能な卓上サイズ簡易型ライトシート顕微鏡descSPIMを開発、発表した(研究協力者 大友ら)。また、descSPIMを用いて血管炎症場を可視化するために必要な各種細胞マーカーの抗体スクリーニングを行った(血管内皮細胞マーカーとしてCD31, E-selectin, ICAM-1、血管平滑筋細胞マーカーとしてαSMA, SM22α、ペリサイトマーカーとしてPDGFRβ, CD13、マクロファージ・泡沫細胞マーカーとしてCD68、好中球のCRAMP等)。加えて、細胞死マーカーとしてCaspase 3, TUNEL、細胞増殖マーカーとしてKi67についても検討した。また、超早期血管炎症の介入点として炎症性シグナルを想定しているが、実際に見出された炎症性シグナルの活性化をリコンビナントタンパク質、アゴニスト、アンタゴニスト、中和抗体等を作用させて抑制しその効果を検証するための準備として血管内皮細胞の培養系の立ち上げを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
早期血管炎症場をライトシート顕微鏡を用いてイメージングするための各種細胞マーカー抗体のスクリーニングを行い、3D免疫染色法に適合する抗体を複数得たが、まだ十分でない。
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Strategy for Future Research Activity |
所属研究室において開発されたライトシート顕微鏡descSPIMを用いて3Dイメージングに必要な各種抗体のスクリーニングを加速する。ApoE欠損動脈硬化モデルマウスの各週齢、各臓器(大動脈、心臓、脳等)を用いて血管の炎症はいつ、どの臓器のどの場所において始まり、どのように進行して動脈硬化に進展するのかを明らかにする。免疫染色法は使用できる抗体に制限がある可能性が考えられたため、3D in situ hybridizationの導入を検討する。
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Causes of Carryover |
抗体のスクリーニングが当初の予定より遅延し、またApo E欠損マウスの導入が遅れたため次年度使用額が生じた。今後、動物実験を加速すると同時に3D in situ hybridizationを導入する可能性があるため、予定どおりの予算執行が見込まれる。
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