2023 Fiscal Year Research-status Report
HFpEF発症進展機構における無菌性炎症の役割の解明と新規治療法開発への応用
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23K07576
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
種池 学 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30609756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村川 智一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50902194)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心不全 / 拡張機能障害 / 無菌性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全はあらゆる心疾患がたどり着く終末像であり、我が国を含む先進国における主要な死因の一つである。心不全患者に対して多くのエビデンスに基づいた先進医療が行われているにも関わらず、予後が悪い状態が続いているため、心不全に対する新たな治療標的を明らかにすることや、新たな治療法を開発することは急務である。 心不全は、左室収縮能の低下したHFrEFと左室収縮能の保たれたHFpEFに大別され、患者数および予後はほぼ同等であると報告されている。HFpEFの治療薬の開発が進んでいない理由として発症進展における病態の解明が進んでいないことが挙げられ、適切な動物モデルが得られていないことに起因する。 本研究では、HFpEFの動物モデルを作製・解析することにより、HFpEFの病態を解明し、無菌性炎症や線維化を介したHFpEFの発症進展に関わる分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。その結果を基に、HFpEFに対する新規創薬に繋がる分子標的を明らかにし、最終的には新規心不全治療薬の開発への応用を目指す。 野生型マウスにおけるHFpEFモデル、およびHFpEF病態の悪化を呈する遺伝子改変マウスを得られた可能性があり、In vivoにおける病態解析を進めている。また、in vitroの実験系の確立および解析も並行して進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成分調整食餌や薬剤持続投与について様々な条件を検討することにより、野生型マウスにおいてHFpEFと考えられる病態に至る条件を得られた可能性がある。心機能、血行動態、組織学的、分子生化学的評価などを行っており、HFpEFモデルとしての妥当性の検証を進めている。 また、我々がすでに作製していた遺伝子改変マウスのうち、ある系統では、前述の条件でHFpEFの病態を誘導した際により悪化傾向を認めた。この遺伝子がHFpEF発症に関与している可能性があるため、より詳細な解析を進めている。 細胞株および初代単離ラット新生仔心筋細胞において、HFpEF様表現型を示す条件を検討しており、上記遺伝子の発現をsiRNAで抑制した条件や、阻害薬で処理した条件で検証を行っている。 上記のように、野生型マウスを用いたHFpEFモデル、および病態の悪化を呈する遺伝子改変マウスを獲得し、これらのin vivoにおける病態解析を進めている。また、HFpEFを模した条件下における細胞を用いたin vitro実験を並行して進めていることから、順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型マウスおよび遺伝子改変マウスのHFpEFモデルにおいて、心筋細胞死や炎症など、HFpEFの病態を呈するメカニズムについて詳細な解析を進める。 HFpEFを模した条件下における細胞を用いたin vitro実験において阻害薬やsi RNAなどで処理した条件下で、HFpEF発症の原因メカニズムについて検討する。 野生型マウスのHFpEFモデルに対して、阻害薬などの投与による影響を評価する。
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Causes of Carryover |
生体サンプルの回収が順調に進んだため、必要とするマウスの数が少なくなったこと、一方で細胞実験では適切な条件を獲得することに時間を要したため、メカニズムの詳細な解析に移行するまで時間を要したことから、今年度の執行額が予算額を下回った。 今後、研究が進むにつれ、執行額が増えることが予想され、予算額に達すると考えられる。
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