2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K07593
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 隆博 北海道大学, 大学病院, 講師 (30724447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻野 一三 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (00344507)
平田 健司 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431365)
清水 薫子 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (40399853)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 慢性肺血栓背塞栓性肺高血圧 / 息切れ / 呼吸機能 / 心機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTEPH))における治療後残存息切れの原因を明らかにし、息切れと関連する指標、適切な対処方法を確立することを目的に研究をしている。下記(A)~(C)の指標との関連を検討することを目的としている。 (A)心臓の形態・機能異常の評価系の確立。これは、従来、PH症例の心臓形態・機能の評価は血中脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度、心エコー、心臓カテーテル検査などで行われてきた。これらの指標は治療の適正化や予後予測の上で有用である。しかし、従来の指標は負荷依存性であり心臓固有の機能を反映しないという問題があった。その中で近年、心臓MRIと右心カテーテル指標を組み合わせることで右室固有の収縮・拡張能を算出している。 (B)呼吸機能と肺容積の評価系の確立。CTEPH症例では、拘束性障害や閉塞性障害を認めることが報告されているが、治療前後の変化については報告がない。本研究では治療前後の呼吸機能を呼吸機能検査(含肺拡散能力)と肺CTを用いて比較する。CTでは肺容積をAVIEWTMを用いて算出し解析する。これらと治療前後の息切れの程度・質、運動耐用能(6分間歩行距離およびボルグ指数、最大酸素摂取量)との関連を解析する。 (C)肺循環動態の安静時、運動負荷時の定量的評価を確立。15OでラベリングしたH20(水)をトレーサーとして用いたPET検査にて肺内血流量測定を行い息切れとの関連を検討する。 現在、CTEPH症例のカテーテル治療後の症例が10例ほど蓄積されてきており、次年度はこれらの結果を学会発表、論文発表していく予定とされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTEPH))における治療後残存息切れの原因を明らかにし、息切れと関連する指標、適切な対処方法を確立することを目的に研究をしている。下記(A)~(C)の指標との関連を検討することを目的としている。 (A)心臓の形態・機能異常の評価系の確立。これは、従来、PH症例の心臓形態・機能の評価は血中脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度、心エコー、心臓カテーテル検査などで行われてきた。これらの指標は治療の適正化や予後予測の上で有用である。しかし、従来の指標は負荷依存性であり心臓固有の機能を反映しないという問題があった。その中で近年、心臓MRIと右心カテーテル指標を組み合わせることで右室固有の収縮・拡張能を算出している。 (B)呼吸機能と肺容積の評価系の確立。CTEPH症例では、拘束性障害や閉塞性障害を認めることが報告されているが、治療前後の変化については報告がない。本研究では治療前後の呼吸機能を呼吸機能検査(含肺拡散能力)と肺CTを用いて比較する。CTでは肺容積をAVIEWTMを用いて算出し解析する。これらと治療前後の息切れの程度・質、運動耐用能(6分間歩行距離およびボルグ指数、最大酸素摂取量)との関連を解析する。 (C)肺循環動態の安静時、運動負荷時の定量的評価を確立。15OでラベリングしたH20(水)をトレーサーとして用いたPET検査にて肺内血流量測定を行い息切れとの関連を検討する。 現在、CTEPH症例のカテーテル治療後の症例が10例ほど蓄積されてきており、(A)(B)に関しては予定通りのデーターの集積を行えているが、(C)は機器の故障のため検査が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTEPH))における治療後残存息切れの原因を明らかにし、息切れと関連する指標、適切な対処方法を確立することを目的に研究をしている。下記(A)~(C)の指標との関連を検討することを目的としている。 (A)心臓の形態・機能異常の評価系の確立。これは、従来、PH症例の心臓形態・機能の評価は血中脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度、心エコー、心臓カテーテル検査などで行われてきた。これらの指標は治療の適正化や予後予測の上で有用である。しかし、従来の指標は負荷依存性であり心臓固有の機能を反映しないという問題があった。その中で近年、心臓MRIと右心カテーテル指標を組み合わせることで右室固有の収縮・拡張能を算出している。 (B)呼吸機能と肺容積の評価系の確立。CTEPH症例では、拘束性障害や閉塞性障害を認めることが報告されているが、治療前後の変化については報告がない。本研究では治療前後の呼吸機能を呼吸機能検査(含肺拡散能力)と肺CTを用いて比較する。CTでは肺容積をAVIEWTMを用いて算出し解析する。これらと治療前後の息切れの程度・質、運動耐用能(6分間歩行距離およびボルグ指数、最大酸素摂取量)との関連を解析する。 (C)肺循環動態の安静時、運動負荷時の定量的評価を確立。15OでラベリングしたH20(水)をトレーサーとして用いたPET検査にて肺内血流量測定を行い息切れとの関連を検討する。 現在、CTEPH症例のカテーテル治療後の症例が10例ほど蓄積されてきており、次年度も同程度の症例の蓄積を見込んでいる。(C)のPET検査の機器故障については、現在対応中であり修理費用が高額であればその他代用の検査も検討する。
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Causes of Carryover |
PET検査の機械の故障により、それにかかる費用が少なくなったため次年度使用額が生じた。 PET検査の機械の修理が行えれば予定通り使用していく。また、次年度は論文作成による英文校正、学会での発表の費用に充てる予定としている。
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