2023 Fiscal Year Research-status Report
遺伝的背景に着目したCOPDの病態解明と新規治療戦略の開発
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23K07594
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 充啓 東北大学, 大学病院, 講師 (00396483)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | COPD |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、マウス肺組織より、酵素的処理にて肺細胞懸濁液を作成した後、磁気ビーズによる細胞分離手法により、肺胞Ⅱ型上皮細胞を回収し、回収した細胞を培養、Ⅰ型上皮様細胞に安定的に分化させる方法を検討した。週齢により同一の培養条件でも、肺胞Ⅱ型上皮細胞からⅠ型上皮様細胞に分化する効率が変化することが判明し、特定の週齢に絞って培養実験を繰り返すことにより、Ⅰ型上皮様細胞に安定的に分化する培養法を確立した。さらに、最初に野生型を用い、AGERのリガンドであるDAMPs(HMGB-1タンパク、S100A6タンパク)、またはタバコ煙抽出液(CSE)を投与し、投与後24時間後解析を行う系にて、HMGB-1タンパク、S100A6タンパク、およびCSEの適切な濃度を設定する予備実験を繰り返した。S100A6タンパクによる結果が安定せず難渋したが、HMGB-1タンパクおよび、CSEに関しては、細胞死が誘導される濃度を設定することができた。 肺気腫モデルマウスを用いた解析では、当初の予定通り、CSE肺気腫モデルマウスにて解析を実施しようとしたが、野生型の予備実験にて、CSEによる気腫モデルの結果が安定せず、このため、エラスターゼモデルによる解析に切り替え、動物実験を継続している。気腫性変化の評価として、パラフィン包埋組織切片による平均肺胞間距離の測定、小動物用オシレーション式呼吸機能測定装置(flexiVent)を用いた呼吸機能測定を実施っし、気腫モデルが安定的に生成できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス肺胞上皮を用いた実験とマウス生体を用いたCOPDモデルマウスによる解析を同時進行して、実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、遺伝子改変マウスを用い、マウス肺胞上皮を用いた実験とマウス生体を用いたCOPDモデルマウスによる解析の両方を進め、解析結果を得ていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は野生型マウスを使用した、条件の確定おこなった。このため、解析費用のかかる、サイトカイン測定は次年度実施することになり、次年度使用額が発生した。
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