2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K07603
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀益 靖 広島大学, 病院(医), 助教 (30748439)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 夜間呼吸音 / 呼吸音モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
当院へ通院中の喘息患者のうち48名について研究参加の同意を取得し、外来受診時に電子聴診器(MSS-U11C)を用いて担当医による呼吸音の聴診を実施した。あわせて日本エア・ウォーター社製の貼付型呼吸音センサーを患者に貸与し、夜間就寝中の呼吸音を記録してもらい、その音データを収集した。現在、回収したデータの確認と解析作業を進めているが、貼付型呼吸音センサーの操作エラーによると思われるデータ欠損が7例、電子ノイズ等の雑音が多く解析が不可能であったものが7例に認められ、これらを除いた34例のデータを解析予定としている。 なお、一部の患者では、センサー貼付後しばらく起きて他者と会話したりテレビを見ていると思われるような音が記録されているケースがあり、記録データの中で実際に患者が就寝している部分のみを解析対象とするためにデータトリミング作業が必要であることが判明した。そこで、本解析に入る前の予備解析として、すべての記録データを確認して患者が覚醒していると思われる部分をトリミングし、真に就寝している部分のみを使用して本解析が行えるように現在作業を進めている。具体的には、音データを1つ1つ実際に聞いてみて、環境雑音が多く混入していたり明らかな話声が聞こえるなど、患者が覚醒していると思われる部分を同定して解析対象から削除する作業を行っている。 2024年4月の日本呼吸器学会にてデータトリミングを終えた症例に関する小数例のパイロット的な報告を行い、フロアの高い関心を集めて多くの建設的な意見をいただくことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象としては当初50名程度を予定していたのに対し、実際に48名の患者をリクルートでき、症例数の目標は達成できたと考えている。データ解析については、上記の通り記録データの中で実際に患者が就寝している部分のみを解析対象とするためにデータトリミング作業が必要であることが判明し、当初の想定よりも時間を要しているが、トリミング作業が終わったものから順次本解析も行う方式で本年度中には全症例の本解析まで終了できる見込みである。臨床データとの相関の検討についてはまだ中途段階ではあるが、現時点までのまとめとして2024年4月の日本呼吸器学会にて成果を発表しており、今後の進め方について多くの建設的な意見を頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もデータトリミング作業を進め、順次Adobe Auditionソフトウエアを用いた本解析を始められる予定である。上述の通り臨床データとの相関の検討についてはまだ中途段階ではあるが、現時点までのまとめとして2024年4月の日本呼吸器学会にて成果を発表しており、今後の進め方について多くの建設的な意見を頂いた。その中で、データトリミングにかかる手間を減らす方策として終夜睡眠ポリグラフ検査を応用する方法を試してみてはどうかとの指摘があり、有用な可能性があると思われた。今後はこれらの意見も参考により簡便にデータトリミングを行う方法を探るとともに、すでに得ている34例のデータについて 本解析及び臨床データとの相関に関する検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
本研究のために購入を予定していた解析用ノートパソコンについて、研究室内の既存のノートパソコンが本研究用に使用可能であることが判明したため購入の必要がなくなり、合計160344円を翌年度使用分として計上することとした。今後、解析用ノートパソコンと研究者の個人用パソコンとの間でデータのやり取りやデータの保存をするためのポータブルハードディスクやフラッシュメモリが必要となるため、それらの費用に充当する予定である。また、国際学会旅費が高騰していることから、余剰が出れば旅費への充当も検討したい。
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