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2023 Fiscal Year Research-status Report

COPD患者の脊柱筋に関する実践的研究

Research Project

Project/Area Number 23K07608
Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

中西 正典  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10347601)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
KeywordsCOPD / 脊柱起立筋 / 多裂筋 / 面積 / 筋疲労 / 身体活動性
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、COPD患者において、上下肢の筋力や脊柱起立筋群の筋疲労特性がその患者の呼吸機能や身体活動量と関連するかを探索、検討し、その上で非薬物療法(運動療法)の有効な介入のエビデンスを構築することが最終の目的である。計画では①基本データと呼吸機能検査、身体活動量の測定、②筋力と筋疲労評価、③筋断面積の測定、④解析、に段階付け評価をおこなうこととしている。
令和5年度に実施した研究の成果としては、当院が参加している臨床研究において症例ごとの画像を取り寄せ、COPD患者の脊柱起立筋面積、多裂筋面積そして参考として大胸筋面積を測定し、患者基礎データとの関連を検討した。筋面積の測定には汎用画像診断装置ワークステーションとして富士画像診断ワークステーションFN-7941型を使用した。筋面積は、胸部CT画像を用いてTh12下端レベルでの左右脊柱起立筋面積、多裂筋面積を測定した。また大動脈弓直上レベルでの左右大胸筋面積を測定した。
合計77名の解析では、脊柱起立筋面積の平均値(SD)は3180.16 mm2(560.87 mm2)であり、多裂筋面積の平均値(SD)は347.04 mm2(56.44 mm2)であった。いずれも正規分布を示した。また脊柱起立筋面積と有意な相関が得られた因子は、「BMI」「IC」「FEV1 %pred」「FVC %pred」「mMRC」「CAT」「Goddard分類」「大胸筋面積」「エクササイズ」「1-1.5METs」であった。そして多裂筋面積と有意な相関が得られた因子は、「年齢」「BMI」「IC」「FEV1 %pred」「Goddard分類」「大胸筋面積」「エクササイズ」「≧3METs」であった。
今後はさらに症例の集積と筋疲労評価も加味し、これまで未確認である脊柱筋の特性を明らかにした上で、運動療法のターゲットを定めていきたいと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

他施設の画像データにおいても自施設の画像解析システムが利用可能であることが検証され、筋面積測定がおこなえた。そのことにより症例数の増加が見込めた。また目視ではあるが、傍脊柱筋群の筋束を読み取り、脊柱起立筋と多裂筋を弁別し面積測定することが可能であったことから、考察が深まる可能性を見いだせた。

Strategy for Future Research Activity

これまで少数例ではあるが、多裂筋においてCOPD患者と健常者のあいだで筋疲労に差がみられており、本研究の中で最も興味のあるところである。症例の集積に注力する予定である。ただし筋力や筋疲労を測定するための機器や測定場所は当院リハビリテーション科の協力を得ておこなっており密な連携を要する。
得られたデータの解析については専門家の意見も取り入れ、本研究が意義深いものとなるよう努める予定である。
さらにCOPD患者の筋力や脊柱起立筋の筋疲労特性、筋断面積と、その患者の呼吸機能や身体活動量との関連の経時的な変化も研究期間内に明らかにしたいと考える。

Causes of Carryover

本年度は既存の設備備品を使用し、消耗品も使用することなく進められる範囲の研究パートをおこなったことが、次年度使用額が生じた理由と考える。次年度は必要に応じ適切に経費を費やす予定である。

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Published: 2024-12-25  

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