2023 Fiscal Year Research-status Report
SCLC subtyping as a predictor of therapeutic response to immunotherapy
Project/Area Number |
23K07615
|
Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
吉田 達哉 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (10729338)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 昌之 北里大学, 医学部, 助教 (40898996)
白石 航也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 部門長 (80609719)
柳下 薫寛 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (80781674)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 小細胞肺がん / 免疫チェックポイント阻害剤 / 神経内分泌分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、予後不良な進展型小細胞癌において、神経内分泌マーカー及び免疫微小環境解析に基づきフェノタイプ分類を行い、免疫療法の効果予測因子および新規治療標的の同定をすることである。令和5年度においては、神経内分泌分化及び免疫微小環境による小細胞肺癌のフェノタイプ解析および免疫原性抑制メカニズムの解明を目的として、小細胞肺がんの約50例の臨床検体を用いて、遺伝子変異解析(WESなど)および遺伝子発現解析(RNA-seq)を行い、神経内分泌分化および免疫微小環境のプロファイリングを行った。遺伝子発現に基づいたサブタイプ解析において、一部の症例で腫瘍微小環境にT細胞が多く浸潤している免疫原生が高いサブタイプを同定した。一方で、サブタイプと遺伝子変異は全く相関していないことを確認した。さらに免疫染色を用いてサブタイプ解析を行い、遺伝子発現解析および免疫染色でのサブタイプ解析の違いについて検討を行った。また神経内分泌分化にかかわる遺伝子であるDLL3の発現が亢進している腫瘍では、遺伝子総変異数には影響を与えていなかったが、有意にネオアンチゲンが多い結果であった。一方で、DLL3の発現が亢進している腫瘍では、有意に浸潤性T細胞が少なく、T細胞の腫瘍 局所への免疫細胞の遊走能が抑制され、腫瘍免疫が抑制していることを同定した。さらに小細胞肺がんの標準治療である免疫チェックポイント阻害剤+化学療法の併用療法の効果が不良であることを報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り複数の論文で研究報告ができたため
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、これまでデータに基づいて、小細胞肺癌における免疫原性の根幹を担う因子の探索および同定を行うことで、免疫原性を高めるための新規治療標的の同定を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
令和5年度では、予定しているシークエンスの解析数および研究時期の関係から、既存のシークエンスデータを中心に解析を行い研究報告を行った。 令和6年度では、繰り越した金額と当該年度の金額を合算してシークエンスなどを行う予定である。またシークエンスの解析数の関係より、繰り越し分を合算した方がより効率的に多数のシークエンス解析ができると考えた。
|