2023 Fiscal Year Research-status Report
肺癌における酸化ストレス応答系の新規破綻機序の解明と標的治療の探索
Project/Area Number |
23K07636
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
光石 陽一郎 順天堂大学, 医学部, 助教 (10647001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 友一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (70516880)
田島 健 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50384102)
高橋 和久 順天堂大学, 医学部, 教授 (80245711)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 非小細胞肺癌 / 酸化ストレス応答経路 / Keap1-Nrf2経路 / スプライシング異常 / ゲノム構造多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、公共データベースからKEAP1-NRF2経路のスプライシング関連の変異(Splicing Associated Variant; SAV)とゲノムの構造変異(Structural Variant; SV)体系的に検出し、細胞実験・マウス実験からそれらの変異の機能と同時に治療標的としての可能性を検証することを計画している。 本年度における研究実績の概要は以下の通りである。 1) KEAP1のゲノムの構造変異SVの検出とその意義の検討: 本研究では、公共データベースであるTCGAとICGCから肺腺癌および肺扁平上皮癌のサンプルを対象に、KEAP1の構造変異を体系的な検出を試みた。初年度の解析では、非小細胞肺癌サンプルで特に顕著なSVを検出し、これらがNRF2経路の活性化にどう影響しているかの予備的なデータを収集した。 2) KEAP1のスプライシングに関連した変異SAVの検出とその意義の検討: さらに、ExomeおよびRNAシーケンスデータを使用して、KEAP1におけるスプライシング関連の変異(SAV)の体系的な検出を試みた。初年度の解析では、やはり非小細胞肺癌サンプルで多くSAVを検出し、これらがNRF2経路の活性化にどう影響しているかの予備的なデータを収集した。。 3) 他のデータセットを用いた他癌種への応用の可能性の検討: TCGAとICGCのデータセットを用いて30種類以上の異なる癌種について解析を進めた。これにより、KEAP1の変異が広範な癌種において共通する可能性や特異的なパターンを持つかどうかの予備的な情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TCGAのデータからの変異症例の検出が順調に進んでおり、現在は変異型KEAP1の機能解析に進む準備をしているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の初年度において、KEAP1-NRF2経路に関連するスプライシング変異(SAV)および構造変異(SV)の検出とその初期機能解析を行い、一定の進捗を遂げることができた。今後、これまでのデータを基に更なる詳細な分析を進めることが重要で、特に、変異型KEAP1がNRF2の活性化に与える影響について、追加の細胞実験とマウスモデルを用いた実験を計画している。これにより、変異型KEAP1の腫瘍形成や抗がん剤耐性における役割を明確にし、新たな治療標的としての可能性を探る。また、異なる癌種におけるSVとSAVのパターンの比較分析も進め、KEAP1-NRF2経路の異常が異なる癌の発生と進行にどのように関与しているかを解明することが目標である。これらの研究を通じて、非小細胞肺癌における酸化ストレス応答経路の破綻に関する理解を深め、効果的な治療法の開発に貢献することを期待している。
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Causes of Carryover |
本年度は主にシーケンス解析に多くの時間をかけたことで次年度使用額が生じたが、次年度は細胞やマウスを用いた検証実験を計画しており、その際に使用する計画である。
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